イタリアンバール ストーリア(池袋・高田馬場・早稲田)
JR池袋駅の東口エリアの外れ、寺に囲まれた閑静な通りに劇場「シアターグリーン」は位置する。そこに併設する形で2010年4月にオープンしたのが「イタリアンバール ストーリア(ストーリア)」だ。ストーリアの売りはイタリア・シチリア地方の郷土料理。そこに原価率38%を投じたお値打ちを武器に、18坪17席の店内は連日予約のみで満席となる集客力を発揮している。
経営母体の㈱アリーエンターメイメントは劇場の管理、運営が本業で、ストーリアも劇場の付帯施設として開業した。劇場の鑑賞客などの利用を想定し、ランチ、カフェ、ディナーと多様なニーズに応えられるバールのスタイルを採ったが、初の外食店経営だったために集客に苦戦。そこでイタリア料理店で10年以上の修業経験を持つ森寛仁氏を店長兼料理長として迎え、10年10月に業態を再構築して新たなスタートを切った。
「バールは間口の広さが業態の特性と言えますが、池袋駅周辺には競合店が多い。さらに店はフリ客がほとんど望めない立地にあります。悪立地を克服するには客層を絞り込んで目的客を摑んでいくしかない。そう判断し、シチリアに特化して個性を打ち出すとともに、手間と原価をかけて商品力を強化することに全力を注ぎました」と森氏はリニューアル時のポイントを説明する。
口当たりの軽いシチリアワインが大人気
フードはグランドメニュー35品前後、日替りメニュー20品前後の2本柱で構成する。グランドはレバーパテやペペロンチーノといったイタリアンの定番料理を押さえながら、内臓料理のカテゴリーなどを設けて独自性を訴求。また、ストーリアの特色が強く現れるのが日替りで、ベッカフィーコやインボルティーニといった日本では馴染みの薄いシチリア料理を積極的に投入している。
ただ、「シチリアはイワシやサバといった大衆魚を用いた料理が多いので華やかさに欠けるところがある」と森氏は言う。そこでメインに赤カサゴの一尾ロースト香草風味1500円といった魚を丸ごと使った料理を用意するなど、メニューミックスに工夫を施しているのも見逃せないところだ。
ワインはボトル35種前後をイタリア産のみに絞って常備する。うち20種がシチリア産で占められ、中心価格帯は2800~4800円。シチリアワインは口当たりが軽いタイプが多いため、グループ客で2~3本をがぶ飲みするケースも多いという。
目下のところ月商は250万円を計上。「これまでは2人で店を回していたため、空席があっても予約を断らざるを得なかった。営業がようやく軌道に乗ってきましたから、人員を補充した段階でフル稼動に乗り出すつもりです」と森氏は語る。
DATA
TEL.03-3987-7710
営業時間:11時30分~14時、18時~23時(L.O.22時)
月曜定休(月曜が祝日の場合は翌火曜休み)
オープン:2010年4月
店舗規模:18坪17席
客単価:4600円
月商:250万
原価率: 38%
アルコール売上げ比率: 30%
URL: http://storia-alii.com/