朝〆やきとんの淳(東京・上野・日本橋)
2010年6月、東京・湯島にオープンした「朝〆やきとんの淳(以下、淳)」は、15坪35席で1日40〜50人を集客する繁盛居酒屋だ。オーナーの吉田尚史氏は、ワタミ㈱に入社し、同社の居酒屋で主に店長として7年にわたって勤務。「飲食店が好きで、いつかは独立して自分の店を開きたいと思っていました」と吉田氏は振り返る。同社を退職し、物件探しに着手したのは2010年4月。「オフィスワーカーが多く、かつライバルとなる居酒屋が少ない場所を探していました」と吉田氏は話す。現店舗はもともとそば店だった物件で、新たに焼き台を設置するなど約1200万円を投じて開業に至った。
淳の売りは豚の内臓肉だ。吉田氏が前職時代から付合いのある群馬県・高崎の業者から仕入れており、当日朝に〆めた新鮮なものを使用。中でも売れ筋が注文率9割以上を誇る名物ればテキ430円だ。「内臓肉が苦手なお客さまにも無理矢理食べさせています」と吉田氏は笑う。この他、串焼き約20品を用意し、価格は120円、150円、180円の3ラインに設定。また「自分自身が焼とんだけでは飽きてしまう」と吉田氏が話す通り、鶏カレー香味焼き380円や自家製テリーヌ430円といった一品料理も約40品を揃える。さらにカキフライ480円、ワカサギの唐揚げ330円など、旬の食材を使用した季節メニューも常時6〜7品をラインアップすることでメニューに幅を持たせている。
一方、アルコールはビール450円はもちろん、サワー280円〜、ボトル焼酎980円〜など約40種をラインアップしている。
「フードもドリンクもギリギリまで価格を抑えることで、来店頻度を高めています」(吉田氏)
“懐かしさ”を演出し年配サラリーマンの集いの場に
主客層は狙い通り、近隣のオフィスに勤める40代〜50代のサラリーマンだ。「店舗デザインをお願いしたデザイナーさんには、年配の人でも落ち着けるような内装にしてほしいと頼みました。またオールディーズを流して、“どこか懐かしい雰囲気”を演出しています」と話す吉田氏の狙いが当たった格好だ。
宣伝はほとんどしなかったにもかかわらず、オープン直後から客足は上々だった。しかし2010年8月には一気に業績が落ち込んだ。それでも、ツイッターのフォロワーを地道に増やすことで認知度を高めて、9月からふたたび回復基調を見せている。「飲食店関係者や食べ歩きに興味のありそうな方を選んでツイートした結果、いまではフォロワーが700人まで増えました」と吉田氏。今後は東京・上野を中心に数店を出店し、将来的には10店程度まで規模を拡大したい考えだ。
DATA
TEL.03-5812-4795
営業時間:17時〜翌3時(金・土曜・祝前日は17時〜翌5時、祝日は15時〜23時)
日曜定休
オープン:2010年6月
店舗規模:15坪35席
客単価:2000円
月商:-
原価率: 33%
アルコール売上げ比率: 40%
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