ラ バルカッチャ (大阪)
オフィスと住宅が混在する大阪・中津に店を構える「ラ バルカッチャ(バルカッチャ)」は、11品を揃えるピッツァと魚介料理を看板商品に据えたピッツェリアである。
オーナーの宮本一典氏は異業種からの転身組で、サラリーマン時代に夜間の調理学校に通学。勤めていた会社を退職後に大阪市内のピッツェリアや東京都内の南イタリア料理店などで8年間にわたって調理の経験を積み、2010年11月にバルカッチャをオープンした。
店の形態はピッツェリアというスタイルを採ってはいるものの、宮本氏がバルカッチャの目玉商品にしたいと考えていたのは、実はピッツァではなく魚介料理のほうだった。
「メニューにはピッツァの他にパスタも揃えていますが、この2つの商品カテゴリーはお客さまを店に誘引するマグネットと位置づけています。これを入口として腕によりをかけた魚介料理を召し上がっていただこうと考えたわけです」(宮本氏)
そうした経緯もあって、バルカッチャはピッツァの商品設計にこれといった特色は打ち出してはいない。唯一のオリジナルメニューはビスマルク"バルカッチャ風〟2200円だが、このピッツァは生ハムの代わりに店の名物料理であるカジキの燻製をのせた商品である。また、ピッツァのカテゴリー原価率が約20%であるのに対し、魚介料理を主体とした前菜・メイン料理は同40%超。バリューを前面に打ち出してオーダーを喚起するが、こうした取組みが魚料理の訴求をめざす店側のメッセージであることはいうまでもないだろう。
ピッツァを「誘引灯」に昼夜4回転の大繁盛
一方で赤・白各20種、スプマンテ5種を揃えるワインはすべてイタリア・ナポリより南に位置する産地でつくられた製品に限定。アルコール売上げ比率は15%で推移するが、これはランチの売上げ比率がディナーの4倍に達するからだ。ランチ営業が好調なのは、ピッツァ1枚とパスタ1皿に前菜がつくペアランチ2200円を提供していることに起因するが、目下のところ客単価は昼1300円、夜3500円。客数のピーク時には24坪26席の客席が昼夜合わせて4回転している。
現状はお客のニーズに添う形でパスタや肉料理を提供しているが、宮本氏は「ゆくゆくはピッツァ、魚介料理、ワインのみの専門店として勝負したい」と意気込みを語る。
DATA
TEL.06-6373-8181
営業時間:11時30分~14時30分(L.O14時) 18時~23時(L.O.22時30分)
火曜定休・毎月1回不定休
オープン:2010年11月
店舗規模:24坪26席
客単価:3500円
月商:-
原価率: 36%
アルコール売上げ比率: 15%
URL: http://la-barcaccia.com