たんか(福岡)
居酒屋「たんか」は福岡県福岡市最大の繁華街である天神からやや離れた清川エリアの路地裏に立地する。オープンは2009年10月。主客層は30代~50代のオフィスワーカーで1日の平均来客数は平日70人、閉店まで客席が予約で埋まる週末は同100人を誇る。客単価は4300円、視認性の悪い立地ながら28坪50席の規模で月商800万円を計上する。
たんかの集客の最大のフックとなっているのが、単品原価率70%超を投入する牛タン焼きと牛サガリ焼き各1300円である。約50品をラインアップするフードメニューの中心価格帯は500円台~600円台であり、たんかでは高価格帯に位置するアイテムだが、これら2品は来店組客のほぼ100%がオーダーする売れ筋商品だ。
オーナーの小材幹太氏は「牛タン焼きと牛サガリ焼きを一度食べていただければ必ずうちの店のファンになっていただける。それによってリピーター率アップを狙っています」と話す。実際に来店客の6割を占めているのがリピーターだ。
路地裏の悪立地でも週末は予約でいっぱいの繁盛店
4300円という客単価は福岡市内の居酒屋ではやや高めだが、小材氏は「牛タン焼きと牛サガリ焼きの品質が集客の呼び水となり、他のフードメニューのオーダーにもつながったことで客単価がアップしたと考えています」と分析する。中でも「2軒めで締めに食べるラーメンに対する需要を意識した」(小材氏)というがんこ親父の焼きめし650円といったメニューなどが客単価の引き上げに貢献している
また、3000円、4000円、5000円の3種を揃えるコースの注文率も高く、売上げの4割を占めている。コースは牛タン焼きや牛サガリ焼きをはじめ、もつ鍋や和牛の炙り刺といった売れ筋メニュー8品で構成してお値打ち感を打ち出す。
ドリンクの売れ筋は生ビール390円。安定した集客を誇ることから生ビールの1日の平均出数は120杯で推移しており、それによってロスが抑制できるために低めの価格設定が可能で、その値頃感からさらにオーダー数が増えるという好循環が生まれている。
人員配置は通常はキッチン3人、ホール2人の5人体制だが、19時30分~22時のピークタイムのみパート・アルバイトを動員し、週末の同時間帯は10人体制を採る。こうして「目配り、気配り、心配りを徹底」(小材氏)して混雑時も安定した接客を維持。必要な時間帯にだけ人件費を投入することで人件費率は18%に抑制している。フード原価率は55%と高めに設定しながら、F/Lコストのバランスを図ることで高収益な構造を確立している。
DATA
TEL.092-531-8529
営業時間:8時~翌₂時(L.O.)
無休
オープン:2009年10月
店舗規模:28坪50席
客単価:4300円
月商:800万円
原価率: 55%
アルコール売上げ比率: 40%
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