鳥の王様(東京東部)
看板商品である生つくね90円をはじめ、メニューに並ぶつくねは全13品。2011年8月に東京・竹の塚にオープンした「つくね専門店 鳥の王様(鳥の王様)」は、屋号が示すようにつくねに特化した焼とり店である。人通りの少ない生活道路沿いに店を構えるが、開業直後から近隣のオフィスワーカーや地元住民から圧倒的な支持を獲得。14.5坪30席の規模で月商500万円を叩き出す繁盛ぶりを見せている。
店主の森澤徹治氏は親子丼の名声店である東京・人形町の「玉ひで」などで15年以上の修業を積んだ後に独立を果たした。地域に根づいた店をつくりたいと、手軽に利用できる焼とり店を業態づくりのベースにしたが、「すでに競合がひしめくマーケットであるため、明確な売りが必要だと考えました」と森澤氏は言う。
「つくねに着目したのは焼とりの定番商品でありながら、独自のアレンジが加えやすい商材であると判断したため。専門性を打ち出すと客層が絞られやすい。しかし、どの世代からも好かれるつくねなら、ファミリーにも利用してもらえる間口の広い店がつくれると考えたのです」
つくねはスタンダードな生つくねの他、塩ネギ生つくね、おろぽん生つくね各130円が売れ筋だ。1日で計100~150本を売り上げるが、13品のうち12品は共通のタネを使用して仕込みを効率化。塩ネギやおろしポン酢、明太マヨネーズなど、つくねに盛る具材やタレを変化させてバリエーションを広げている。
つくね以外にも多様な定番メニューでニーズに応える
つくね以外の商品が充実するのも同店の特色である。玉ひで仕込みの親子丼600円、手羽先を甘辛く揚げた王様の手羽先450円はつくねに並ぶ名物商品。串焼き38品、鶏料理12品、野菜料理19品など、定番メニューだけで90品前後を揃え、多様な客層のニーズに応えている。
アルコールはビール、ハイボールとともに日本酒の注文率が高い。日本酒は20種前後を揃え、地酒12種を500円均一で提供するなど、値ごろ感を前面に打ち出すことで、アルコール売上げ比率は50%にもおよぶ。
「つくねは挽肉が原材料ですから低価格でも粗利益が高い。主力商品の原価が抑えられるので、サイドメニューやドリンクにしっかりとコストを投じてお値打ち感を強調しています」と森澤氏は話す。目下のところ、客単価は3200円。当初、客単価は2500円を想定していたが、アルコールの売上げが伸びたぶんだけ、客単価が上がり、それが売上げアップにもつながっているという。
同店の好調さを駆って、すでに2号店の出店を検討しており、「まずは鳥の王様で3店をめざしたい」と森澤氏は語る。
DATA
TEL.03-6325-9176
営業時間:7時~翌0時(L.O.23時30分 金・土曜・祝前日は ~翌2時〈L.O.翌₁時〉)
無休
オープン:2011年8月
店舗規模:14.5坪30席
客単価:3200円
月商:500万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 50%
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