「エスプリメ」（東京・白金高輪）は、オーナーシェフの小池 勲さんが昨年8月に開業したイタリア料理店だ。小池さんは、ホテルのレストランに勤めていた頃、洗練されたリストランテ料理を打ち出し、名を馳せていた片岡 護氏（東京・西麻布「アルポルト」オーナーシェフ）の『片岡 護のイタリア小皿料理』（弊社刊）を読み、自身の持っていた大衆的なイタリア料理のイメージが覆されたという。これを機にイタリア料理の道へ進もうと決意し、19歳で「アルポルト」へ。途中3年間のイタリア修業を挟み、計15年間働き、独立前の6年間は二番手を務めた。
　独立する際は、修業経験が生きるよう、アルポルトと同様に、客単価を１万円前後に想定。夜のメニューは7980円のプリフィクスコース（前菜、パスタ各２皿、主菜１皿）を軸に、「地元のお客さまにも気軽に来ていただきたい」と5670円のコース（前菜、パスタ、主菜各１皿）を用意する。
「できるだけシンプルな料理で、幅広いお客さまにイタリア料理の魅力を伝えたい」と語る小池さん。料理はアルポルト時代から作り続けている「冷たいトマトのカッペリーニ」など、日本人の嗜好にマッチさせたイタリア料理と、「ホワイトアスパラガスのパルメザンチーズ焼き」や「ベーコンとトマトのブカティーニ」などオーソドックスなイタリア料理がバランスよく並ぶ。また、「牛イチボのタリアータ」には、赤ワインとスーゴ・ディ・カルネを煮詰めたキレのあるソースを添え、「シンプルな中にも何かひと手間かけて、リストランテならではの付加価値を提供したい」と話す。
「今後、自分の料理が今よりも認知されてきたら、いずれはおまかせコース1本に絞り、新しい料理にも積極的に取り組んで行きたい」（小池さん）。