並木橋 なかむら (渋谷・恵比寿・代官山)
東京都内のJR渋谷駅から徒歩8〜10分のテナントビルに入居する和食店「並木橋 なかむら(なかむら)」。ビル2階という立地ながら予約客で連日満席が続き、50坪55席の規模、夜のみの営業で月商約1300万円を売り上げる。経営母体の㈲フェアグランドの代表取締役・中村悌二氏は業態づくりの狙いについて「客単価が1万円以上の日本料理店と5000円以下の居酒屋の中間を狙った」と説明する。
その言葉通り、客単価は6500円。フードメニューは5000円、6800円、8500円のコース3種と500円〜2500円のアラカルト約50品を揃える。
コースのオーダー率は30%だが、料理長の茂野政信氏は「客層の幅を広げる入口として、また接待需要の吸収といった狙いでコースを導入しています」と話す。日本料理に不慣れなお客や接待での利用客にとって料理の内容を店に任せることができるコースは利便性が高く、敷居を下げることができるからだ。
また、なかむらではコースを前日までの予約制としている。そうすることで食材のロスを抑制できるうえ、収益を安定化できることもコース導入の大きなメリットになっている。
お値打ちコース料理が客層の幅を広げる
コースはおすすめ食材やその日に入荷した鮮魚を中心に構成。アラカルトでは提供しない食材を用いた料理を少なくとも1品組み込んで付加価値を訴求する。5000円のコースは全10品で原価率は約32%。お客の期待が大きい前菜、鮮魚お造り、焼き物、揚げ物といった品目にはコース全体の原価の約20%を投じて華やかさとボリュームを打ち出し、それ以外の商品は原価を抑制できる野菜などを使って小ポーションで提供。そうした取組みによって料理の流れ、原価率やボリュームに強弱をつけている。
コース原価率の安定化の手法について茂野氏は、食材の大量一括仕入れと食材ロスの削減を挙げる。たとえば、お造りに使用する魚介は魚種を細かく指定せずに信頼を置く業者から「その日のいいもの」をまとめて仕入れる。「食材を一括して大量に仕入れると仕入れ値や輸送費が軽減できます。また、そうして仕入れた食材をコースに組み込んだりおすすめとして商品化することができれば食材のロスの削減も実現できます」と同氏は説明する。
主客層は30代〜40代の男性会社員。茂野氏は「今後もいまの客単価を維持したうえで、料理やサービスのレベルアップを図りたいと考えています」と話す。
DATA
TEL.03-6427-9580
営業時間:18時~翌1時
無休
オープン:2008年12月
店舗規模:50坪55席
客単価:6500円
月商:約1300万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: http://locoplace.jp/t000031984/