ネオクラシック大衆酒場 大岡山食堂(東京西部)
東京・大岡山の住宅地に2012年2月にオープンした「ネオクラッシック大衆酒場 大岡山食堂(大岡山食堂)」は、お酒を一杯飲みながら定食を食べるという使い方を提案する居酒屋兼食堂だ。オーナーの五泉正幸氏は、「店名に『酒場』と『食堂』という言葉を用いてコンセプトを明示し、さらに地名を冠することで地元住民に対して訴求しました」と店名の由来を話す。
客層は学生から高齢者夫婦まで幅広いが、約4割を占めて大岡山食堂の主客層となっているのが地元のファミリー客だ。その理由について五泉氏は、「夕食時に両親はお酒とおつまみ、子供は定食を注文というように、家族で利用しやすいメニュー構成が支持されているのでは」と分析する。
さらに、年中無休でアイドルタイムも設けず通し営業を実施するなど、使い勝手のよさも大岡山食堂の魅力となっている。貸切営業にも対応し、地域の子供たちが集うイベント会場として使用されることも多いという。
フードメニューは焼魚定食750円、モツ煮込み定食650円、日南鶏と藻塩の鶏じゃが750円など8品の定食を終日提供。夜は定食に加えて串焼き盛り合わせ650円など定番、日替り各15品の一品料理やおつまみを用意している。客単価は3000円弱、ディナー帯のアルコール売上げ比率は約40%で推移する。
明確なコンセプトと使い勝手の良さで地元客を掴む
料理は和食メニューが中心。「化学調味料を一切使用しない料理」を謳っており、醤油や味噌も無添加、無農薬のものを使うなど徹底している。「当店の料理は昔ながらの日本食を想起させる淡白な味つけのものが中心です。インパクトは少ないかもしれませんが、その分毎日でも食べ飽きない料理を提供しています」(五泉氏)。
食材も地元の自然食品を扱う問屋から仕入れる無農薬野菜などを主に用いており、「身体に優しい食事ができる店というイメージが当店に根づいてきているようです」と五泉氏は話す。
現在、F/Lコストは原価率、人件費率ともに35%で、利益率は決して高くない。しかし、店数を増やすことで仕入れ原価を抑え、安定した収益を確保できる運営モデルを確立する考えだ。当面は単一業態で3店の出店を目標に据えており、物件が見つかったらすぐ出店できるように、2号店の店長候補の人材をすでに採用している。
「いまは儲けこそ少ないですが、大岡山食堂から添加物や化学調味料を使用しない『正しい食』を提案し、他の飲食店にもそういう思想が広がって欲しいと考えています」と五泉氏は抱負を語る。
DATA
TEL.03-6421-8213
営業時間:11時〜23時
無休
オープン:2012年2月
店舗規模:14.5坪32席
客単価:2750円
月商:300万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 40%
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