立喰い酒場 金八っつぁん 西梅田店(大阪)
「立喰い酒場 金八っつぁん(金八っつぁん)」西梅田店は、朝挽きの鶏を炭火で焼いた串焼きを看板商品に据えた立ち飲み店。2011年4月に外食店がひしめく大阪駅周辺でもオフィス街に隣接する西新地にオープンし、8坪ながら1日の平均来客数は70人を維持し坪月商43万円超を売り上げる。
経営母体は鶏肉専門の卸などを営む㈱CK・TOP TEAM。外食業に参入した理由を同社の飲食事業マネジャー・福永彬人氏は次のように説明する。「当社のような鶏肉専門のローカルカンパニーは、スーパーマーケットや外食店のナショナルチェーンと契約する大手の食肉企業には勝てません。そこで、自社で扱う上質な鶏肉をアピールして継続的に消費していただく販路を確保しようと考えたのです」。同社は焼とり店「鶏卸直営 朝びき専門 八金(八金)」も運営しており、金八っつぁんは八金の立ち飲み業態という位置づけだ。西梅田店は10年8月にオープンした枚方店に続く2号店である。
焼とり店に続いて立ち飲み業態を展開したのは、「客単価を下げて敷居を低くすることでより多くのお客さまを取り込むことを狙ってのこと」(福永氏)。鶏肉専門卸業者の直営店であることをアピールしながら鶏の串焼き30種の中心価格帯は100円台とし、客単価は2100円だ。福永氏は「兵庫・但馬から朝挽きの鶏を仕入れて店内調理をしており、鶏肉専門業者だから提供できる新鮮な鶏肉をリーズナブルに訴求するメニューを揃えています」と話す。
高原価商品が口コミで広がり集客アップ
鶏の串焼きの中には鶏横隔膜のハラミ136円や尾肉のテール105円といった希少部位もラインアップ。また、集客のフックとなっているのが、原価率100%を投じている河内和鴨たたき390円や鶏のモモ肉1枚を使った同50%の極上ももたたき504円といった高原価商品だ。これらの商品が口コミで広がり、集客に大きく貢献しているという。
40品超を揃えるフードメニューの原価率は40%。ドリンクは生ビールやハイボール、グラス焼酎など20種類を一部を除いて390円で揃える。
収益構造のポイントは、繁忙時のみにスタッフを集中投下する人員配置にある。この取組みによって人件費率を20%に抑制し、収益を生み出す仕組みを構築しているのだ。
主客層が近隣のオフィスに勤めるビジネスパーソンであるため、目下の課題はオフィス休業日の集客だ。そこで、土曜日のみ平日は置かない小さなテーブルとイスを配置するなどして女性やカップルが利用しやすい環境を整えている。
将来的には調理のオペレーションを体系化し、「フランチャイズ展開を狙います」と福永氏は話す。
DATA
TEL.06-4795-3855
営業時間:17時~25時(L.O.24時)
日曜・祝日の月曜定休
オープン:2011年4月
店舗規模:8坪
客単価:2100円
月商:350万円
原価率: 40%
アルコール売上げ比率: 60%
URL: http://r.gnavi.co.jp/c540510/