東京メトロ日比谷線・人形町駅から徒歩1分。小規模な飲食店が軒を連ねるエリアに店を構える「小皿イタリアンＢＡＬＬＯＮＤＯＲ（以下、バロンドール）」は、2009年9月に開店したイタリアンバルだ。
　経営母体は㈱エンジョイライファー。代表取締役の渡邉和茂氏と取締役の堀部敏郎氏は大学の同級生で、ともに外食企業で15年の経験を積んだ後、共同で出店を果たした。

空間レイアウトを巧みに活用し幅広いニーズに対応

　店舗規模は29坪49席。店の構造がＬ字型をした物件に入居しているが、バロンドールではその構造を巧みに活用。角に位置するバーカウンター8席を境として、テーブル15卓30席、キッチンに面したカウンター11席とエリアを完全に分け、それぞれの機能に変化を加えることで幅広い利用動機に応えられる使い勝手のよい店づくりを施した。
　メニュー構成は前菜の小皿料理19品（420～880円）、パスタ10品（850～1480円）、メイン2品（1380円・1650円）など44品をラインアップ。この他に日替りで前菜3～4品（500～800円）、メイン2～3品（1300円台～1800円台）を揃える。売れ筋はホタテのウニソース焼き500円、和牛ヒレ肉のカルパッチョ1300円などだ。
　テーブル席における接客スタイルはフルサービスでコース仕立ての食事ニーズにも対応できる。また、カップルはキッチン前のカウンターに案内。1人客はバーカウンターに案内してハーフサイズの料理を提供するなど、ちょい飲み需要も積極的に吸収している。客単価は3800円、月商は750万円で推移している。
　アルコールはソムリエの資格を有する堀部氏がセレクトするイタリアワインが中心で500円～700円の値づけをしたグラス10種類前後を揃える。ボトルは3500円を中心価格として20種類前後をラインアップ。バックヤードが狭いこともあって種類は絞り込んでいるが、仕入れる種類を変更することでリピーターを飽きさせない工夫をしている。
　その他にビール、カクテルなど幅広くラインアップしておりアルコール売上げ比率は40％で推移している。
　バロンドールでは「お客さまがスタッフにつくような接客」（渡邉氏）を実践している。お客の名前を憶えるのはもちろんのこと、好みを把握して先回りしてメニューを提案するなどのサービスを実践している。こうしたハイタッチな接客が功を奏して来店客のリピート率は90％を超えている。主客層は近隣のサラリーマンやOLで男女比率は4対6で推移。
　2011年9月には東京・湯島に2号店の居酒屋「ワイン食堂パパン」をオープン。多店化を進める構えだ。