ワイン食堂 イナセヤ KITCHEN(東京西部)
東京・三軒茶屋の栄通り商店街に2010年10月にオープンした「ワイン食堂 イナセヤ KITCHEN(イナセヤ)」は、地域住民の圧倒的な支持を獲得するワイン酒場だ。ひとり客からカップル、ファミリーといった幅広い層の地元客を集客し、10坪24席の規模で月商470万円を売り上げている。
イナセヤは三軒茶屋に08年2月にオープンした鮮魚居酒屋「いなせや」の2号店として出店。1号店と同じく魚介料理をフードの柱に据えつついなせやを洋業態にアレンジし、ワイン酒場のスタイルを採って棲み分けを図った。
メニューの柱である魚介料理は旬の鮮魚を用いたブイヤベース1280円やアクアパッツァ1480円~など常時10品をラインアップ。他にもイベリコ豚炭焼980円といった肉料理5品や野菜料理3品も揃えており、魚介料理に合わせやすいスパークリングワインや白ワインだけでなく、赤ワインの注文も促している。
フードは定番と日替り各25品前後を合わせて計50品前後を揃えている。すべてのメニューを半額のハーフポーションで注文することができ、このサービスによってひとり客や2軒め利用といった幅広い動機に対応している。
旬の鮮魚を使った魚介料理が売り
ワインはグラス売りをメインにしており、グラスワインは赤・白各5種類、泡2種類をラインアップ。ワインの売上げの7割以上をグラス売りが占めている。週末にはさらに2種を増やして選択肢を広げており、価格は1杯500円の飽きの来ない味わいの銘柄から700円以上の特色のあるテイストのワインをセレクト。品揃えは1週間毎に変更する。
ボトルはリストに赤・白各12種類を掲載。リストに掲載していない銘柄を含めると約60種類を揃えている。「お客さまが選びやすいようにワインリストには最低限の銘柄だけを載せています。リスト外では、ワイン好きの方に向けた高品質な銘柄や毎回同じワインを注文する常連の方のために用意している銘柄もあります」とオーナーの大西紀之氏は話す。お客のリクエストを受けてインポーターに相談し、新たに取扱いをはじめたワインも多い。
いまでこそ繁盛店として地元で認知度を上げているイナセヤだが、開店から半年間は苦戦を強いられた。「たとえ1日1組しかお客さまの来店がなくても、その1組を満足させるためにお客さまの要望に応えるサービスを心がけてきました。ワインの品揃えやハーフポーションのオーダーに応えるといった細やかな対応をしてきたからこそいまのイナセヤがあるのです」と大西氏は語る。今後も地域に根差した店であるために惜しみない努力を続ける意向だ。
DATA
TEL.03-3412-3830
営業時間:18時〜翌3時
無休
オープン:2010年10月
店舗規模:10坪24席(テラス含む)
客単価:3500円
月商:470万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 50%
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