神奈川県横浜市青葉区を拠点にエスニック料理を主体にしたワイン居酒屋「アジアンビストロDai」など5店を展開する㈱プレジャーカンパニー。同社の最新店として、2012年5月に神奈川・たまプラーザにオープンしたのが和牛のグリルと生パスタを商品の柱にした「ワインビストロDai」だ。開業からわずか2ヵ月で、客単価3700円、28坪52席の規模で月商600万円を売り上げる順調な滑り出しを見せた。
　同社は10年4月にたまプラーザにアジアンビストロDaiを出店。同エリアに2店めを出店するにあたって新たに開発したのがワインビストロDaiである。
　ワインビストロDaiが店を構えるのは、駅前の商業エリアを抜けた人通りの少ない生活道路沿いの雑居ビル2階。フリ客はほとんど見込めない視認性の悪い立地だが、目玉商品として黒毛和牛のグリルを投入し、目的客の吸引を図っている。
　和牛グリルはＡ4・5ランクのサーロインやイチボ、カメノコやトウガラシといった16部位の中から日替りで5〜6種類を用意する。ポーションはすべて1皿150ｇとし、1580円均一で提供。単品原価率は最低でも40％、部位によっては70％を投じてお値打ちを訴求する。
　その一方で業態の間口を広げる狙いでメニューに組み込んだのが17品を650〜1400円で提供する生パスタだ。「パスタは幅広い客層に受け入れられるアイテムであり、ランチとディナーの双方で需要がある。さらに生パスタを用いることで、家庭料理とは異なる外食ならではの味を表現できる。それが集客のフックになると考えました」と同社代表取締役の望月大輔氏は語る。

普段使いと「ハレの日」双方に対応するワイン

アルコールの主力であるボトルワインは2500円均一とそれ以上の2つのグループに分類し、普段使いとハレの日の双方のニーズを吸収する。銘柄数は2500円均一、それ以上のカテゴリーでそれぞれ24種。グラスは赤・白各1種380円を定番で用意する他、おすすめ5種を500〜650円で提供する。
　ワインは原価率38％前後をかけてお値打ちを訴求しているが、その一方でドリンクの原価調整にひと役買っているのがワインカクテルだ。12品を480〜780円で取り揃えており、カテゴリー原価率は20％に抑えているが、アルコール売上げの構成比率は12％とグラスワインの7％を大きく上回っている。
　ワインビストロDaiでは1年以内に月商1000万円を目下の目標に掲げている。また、12年8月には神奈川・青葉台に新店をオープンする計画。今後も青葉区周辺で着実に出店を進める考えだ。