麺飯 つねむら(神戸)
兵庫・三宮に2012年3月にオープンした「麺飯つねむら」は、8品前後の定食を850円均一で提供する定食店だ。店の規模は18坪37席、客単価は800円。近隣に勤める会社員と三宮を訪れる買物客を主客層とし、11時〜16時までの5時間のみの営業で1日160人前後を集客している。
「開業前に実施した立地調査によって、夜はあまり集客が見込めないとわかった。それでランチに特化した定食業態に挑戦しようと考えました」と料理長の馬籠秀道氏は話す。
麺飯つねむらでは麺料理4〜6品、中華丼やエビチリなどの中華料理2〜3品を常時取り揃えており、単品は750円または800円、ライス、スープ、ザーサイ、一品がつくセットは850円の均一価格で提供している。麺料理は120gの麺にたっぷりの具材をのせてボリュームを訴求。ライスもお替り自由とし、20代〜40代を中心とした男性客のニーズをがっちりと摑んでいる。その一方で、野菜をふんだんに使った商品で女性客も獲得。来店客の男女比率は6対4で推移する。
経営母体は兵庫・神戸を拠点に不動産やアパレル、外食などの幅広い事業を展開する㈱高井商事で、三宮にあるヌーベルシノワの名店「チャイナビストロ・エヴォーブ」のオーナーシェフである常村美文氏がプロデュースを手がけている。高井商事と常村氏がタッグを組んでの出店は、同じく三宮に11年10月にオープンしたカジュアルレストラン「チャイナ食堂つねむら」に続く2店めとなる。
調味料は自家製しつつオペレーションの効率化は徹底
麺飯つねむらでは、味づくりのポイントとなる香辛料は常村氏の監修のもとに高品質な製品を厳選。さらに芝麻醤やラー油、山椒塩といった調味料は店内で手づくりして品質を追求する。また、麺に関してもデュラムセモリナ小麦の香りをしっかりと残した麺をオーダーメイドで製造。「専門店の味を低価格で提供することが麺飯つねむらのコンセプトです」と馬籠氏は話す。
その一方で、営業時のオペレーションは徹底的に効率化する。メインの定食を8品前後に絞り込んでいる他、サイドメニューは300円均一の唐揚げ、春巻き、水餃子の3品のみとすることで調理作業を軽減。さらにサイドメニューは仕込みの段階で成形や衣づけまで終わらせておき、営業時の調理作業を「揚げる」または「茹でる」工程のみに絞り込んでいる。また、麺料理や定食に関しても事前に食材を1人前ずつの分量に小分けしておき、ツーオーダーで調理。平均約2分のスピード提供を実現している。
「今後は季節メニューの開発など、リピーターのお客さまを飽きさせない工夫を考えていきたい」と馬籠氏は語る。
DATA
TEL.078-599-7978
営業時間:11時~16時(15時30分L.O.)
月曜
オープン:2012年3月
店舗規模:18坪37席
客単価:800円
月商:330万円
原価率: 28%
アルコール売上げ比率: -
URL: -