CONA 渋谷店(銀座・新橋・有楽町)
クリスピータイプのピッツァ30品が500円均一、ボトルワイン80種以上が1900円均一。この破格の値づけで、坪月商58万円を叩き出す大繁盛ピッツェリアが東京・渋谷の「CONA」渋谷店だ。
経営母体は㈱キャンディーBOX。もともとは個人経営でスタートしたが、多店化を前提として㈱エムグラントフードサービスが経営権を取得。2011年10月にキャンディーBOXを設立して分社化した。同社広報の小田綾乃氏は「イタリア料理店やピッツェリアなどで提供するピッツァは大多数が1000円以上の値づけをしています。そうした中で単にピッツァを安くしただけでなく、一品料理やドリンクなどのほとんどのアイテムの価格を500円均一にしたわかりやすさが好調の要因だと考えています」と話す。
客単価は昼500円、夜2500円で推移する。昼はピッツァ、サラダ、ドリンクのセットを500円で提供。夜は翌5時までの営業のため2軒め利用のお客も多く、ピークタイムは23時と終電前後の深夜1時頃だ。お客1人当たりのピッツァの平均注文数は1・2枚で、この数値は軽い食感のローマスタイルのピッツァが酒のつまみとしても受け入れられていることを示している。
ピッツァは直径23㎝。ツーオーダーで生地を伸ばして具材をトッピングし、400℃以上のガス式の窯で焼きあげる。ピッツァ31品のラインアップには、マルゲリータなどのベーシックなものから、焼きそばをトッピングしてお好み焼きソースをかけた下町スペシャル、チョコバナナピッツァのようなデザートピッツァなどオリジナルメニューも揃える。
オペレーションにおいて特筆すべきが、パート・アルバイト(PA)を含むスタッフ全員がピッツァを焼ける点だ。小田氏は「ローマスタイルのピッツァはレシピと調理手順を守れば品質のブレが少ない。短期間のOJTで焼成の技術を習得できます」と説明する。これによって、CONAでは専任のピッツァイオーロを置くことなく、昼2人、夜は同3人というスタッフの人員体制で営業する。
80種以上1900円均一のワインはスタッフのセレクトもラインアップ
ピッツァ以外のフードは37品、ドリンクはビール2品、グラスワイン赤白各1品、カクテル45品、ハイボール3品、焼酎4品、日本酒1品をラインアップする。
1900円の均一価格で提供するボトルワインは1日最大で70本を売り上げる。ワインリストは置かず、セラーからお客自ら選ぶかスタッフがお客の好みに合った銘柄をすすめるというスタイルだ。その品揃えで見逃せないのが、本部が仕入れる銘柄に加えて店のスタッフが選んだワインも揃えている点だ。「条件は決められた仕入れ値を超えないことだけ。ワインをすすめる意気込みが変わりますし、お客さまとの距離も縮まります」と話す小田氏自身もソムリエの資格を持ち、毎月ワインセミナーを開催してスタッフのスキルアップとワイン選びサポートする。
サービス面ではオーダーテイクの時はお客の顔を見る、お客が退店する時は外に出て見送る、常連客が来店したら「おかえりなさい」と声をかけるといったホスピタリティを徹底し、親しみのある接客を心がける。その親近感と利用しやすい価格構成が、週に2~3回利用するヘビーユーザーの獲得と、彼らが新規客を連れてくるという好循環をつくる土台となっているのだ。
現在は都内に直営2店、FC6店という布陣だが、2012年4月から本格的にライセンス店の募集を開始。まずは首都圏エリアを中心に50店舗体制をめざす意向だ。
DATA
TEL.03-3770-5729
営業時間:11時~翌5時(土・日曜、祝日は16時~)
無休
オープン:2008年10月
店舗規模:9坪(最大15人収容)
客単価:2500円
月商:523万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -