東京・中目黒に暖簾を掲げるイタリア料理店の「コロッセオ」。2009年6月にオープンして以来、しっかりした食事から二次会まで幅広い利用動機に対応し、ディナーだけで1.5回転する人気店となっている。
　売りのひとつは常時70品以上を揃える豊富なフードメニューだ。「イタリア料理と聞いて思いつくものは、すべて揃えたかった」とフロアマネージャーの田崎岳人氏が話す通り、パスタであれば、ペペロンチーノからトマトソースベース、クリームソースベースなどの定番すべてをラインアップ。メインも鶏、鴨、羊、豚などの肉類を使用した料理をひと通り揃えている。
　価格は前菜500〜900円、パスタ800〜1400円、メイン1200〜1800円が中心となるが、一方でコストパフォーマンスを打ち出すため、商品設計ではボリューム感を重視。たとえばメバルとキャベツのヴァポーレ600円はメバルを丸ごと2尾使用。朝獲れ鮮魚のフリット500円にはフリットを8ピース盛り付けるといった具合だ。
　その源泉となるのが食材の仕入れ方法だ。野菜は専門業者に頼らず、栃木県・益子の川田農園から直接購入する他、従業員の実家で栽培しているものも使用。また時期に応じて築地市場で規格外のものを安価で仕入れることもあるという。魚介類は宮城県・石巻から週3回、直送で仕入れており、日替りのおすすめメニューとして提供している。
「肉類も高級なものは使っていない」（田崎氏）と言うが、コンフィにしたり、パン粉をつけて焼くなど、調理方法を工夫することで、商品価値を高めている。
「今後もコストパフォーマンスをさらに高めるべく、良質廉価の食材を探したり、新しいメニューを提供していきたい」と田崎氏は話す。