さぬきうどんと酒 夏目家(東京西部)
東京都大田区の東急池上線石川台駅前に店を構える「さぬきうどんと酒 夏目家(以下、夏目家)」は、昼はうどん店、夜は居酒屋という2つの顔を持つうどん居酒屋である。2009年9月の開店からまもなく丸2年が経とうとしているが、目下のところ週末は1日あたり160~180人を集客。29坪40席の規模で月商400万円をコンスタントに弾き出している。
現在はうどん居酒屋として堅調な売上げを維持する夏目家だが、開店から2ヵ月間はうどん7品とドリンクのみを提供する食事主体のうどん店だった。オープン当初の来客数は1日あたり50~60人。月商も100万円前後と伸び悩み、その結果を受けたオーナーの夏目徹氏は2009年11月にメニューを全面的に刷新することを決意する。天ぷらや一品料理をフードメニューに加え、アルコールメニューを拡充することでディナー帯の売上げ増を図ったのである。
現在のメニューにはうどん40品前後の他、100~400円の値付けで提供する天ぷら15品、480~600円を中心価格帯にした50品を超える一品料理が並ぶ。店のスタイルを変更するにあたって夏目氏は、ドリンクメニューの目玉として、ワインを強調しようと考えた。その方針のもと、イタリア料理のカプレーゼにヒントを得たトマトとクリームチーズのサラダ480円やタコ酢の物をニンニクや白ワイン、オリーブオイルなどで和えたタコ酢イタリアーノ580円といった商品を20品前後ラインアップ。一品料理に洋食のテイストを取り入れてワインとの組合せを前面に訴求した。
アルコールの締めに食す創作うどんも人気
うどんの麺は製麺機でつくるさぬきうどんをベースにしているが、うどんアラビアータ780円やイカ墨うどん850円といったパスタをベースに発想した創作うどんを10品前後揃えている。
アルコールメニューは値付けをグラス400円~、ボトル1600円~としたワイン17種、焼酎14種、日本酒13種などを用意しているが、ワインはボトルで1日10本以上を売る日もある。アルコール売上げの実に3割をワインが占めており、ワイン訴求の狙いが当たった格好だ。
夏目家ではハイタッチな接客で名の通っている居酒屋「てっぺん」の朝礼にスタッフ全員で参加。2010年8月から本格的に同様の朝礼を取り入れた。そうした活気ある接客も集客につながり、業態転換後に300万円で推移していた月商が毎月約10万円ずつ伸びはじめ、いまなお月10万円弱ずつ売上げが向上している。
今後については「12年初めに2号店を出店するか、現在の店を改装して席数を増やすことを検討中です」と夏目氏は意気込みを語る。
DATA
TEL.03-3727-0182
営業時間:11時~15時、17時~23時(L.O.22時)
月曜定休
オープン:2009年9月9日
店舗規模:29坪40席
客単価:2000円
月商:400万円
原価率: 30%
アルコール売上げ比率: 50%
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