ウォータリングホール(新宿・代々木・大久保)
2012年6月に東京・代々木にオープンした「ウォータリングホール」は、常時21種のクラフトビールを揃えるビアパブだ。
東京・池袋のクラフトビール専門店「vivo!」の店長を務めていたオーナーの筒井美千子氏は、クラフトビールを取り巻く環境について以下のように話す。
「ここ数年、東京都内を中心にクラフトビール専門店のオープンが相次ぎ、クラフトビール関連のイベントも毎月のように開かれるようになりました。さらに雑誌を中心としたメディアでクラフトビールが取り上げられる機会も増えています。その結果、クラフトビールの魅力が一般消費者にも浸透し、愛好家が増加しているようです」
オープン当初は近隣のオフィスに勤める会社員を中心に集客していたが、メディアに取り上げられると、遠方からクラフトビール愛好家が訪れるようになった。現在は客単価3000円前後。15坪30席の規模で1日平均50〜60人を集客している。
ビールは1種につき1〜2樽ずつ仕入れ、なくなり次第、次の商品を提供する。新たに提供をスタートした銘柄は、クラフトビール愛好家向けにツイッターやフェイスブック、ブログで告知して集客アップにつなげている。
また、平日15時〜18時限定で、好みのクラフトビール4種各100㎖をセットにしたテイスティングセット1000円を販売している。こうした取組みの結果、この時間帯の売上げが全時間帯の1〜2割を占めるに至っている。
集客のフックとなるイベントを積極的に開催。2013年には隣接するブルワリーも始動
フードメニューは、冷しもも太郎トマト、皮つき!!ニンジンスティック ナッツ味噌添え各400円といった契約農家から仕入れる無農薬野菜を用いた料理を中心にラインアップ。和食店出身の料理人を配し、築地市場で毎日仕入れる魚介類を用いた日替りメニューも用意する。
「ビール業態は、季節によって売上げの変動が大きいのが難点ですが、イベントを積極的に開催してオフシーズンの冬もお客さまにアピールしていきたい」と筒井氏は話す。取材時も日本酒イベント「日本酒ウィーク 居酒屋水場」を開催し、期間限定で数種類の日本酒を用意。今後も集客のフックとなるイベントを企画していく予定だ。
2013年には店に隣接するブルワリーを操業し、ブルーパブとして営業する予定だ。現在は醸造免許を申請中だが、早ければ夏には8種類のオリジナルビールを提供できるという。「小さなタンクでつくるので、毎日通っても違うビールが飲めます。これが小さなブルーパブの魅力ですね」と筒井氏は話す。
DATA
TEL.03-6380-6115
営業時間:15時~23時30分
無休
オープン:2012年6月
店舗規模:15坪30席
客単価:3000円
月商:480万円
原価率: 40%
アルコール売上げ比率: 65%
URL: http://wateringhole.jp/