肉バルMuu(大阪)
2012年6月に大阪・東心斎橋にオープンした「肉バル Muu(ムー)」は肉料理とワインに特化したバル。経営母体の精肉卸店から仕入れる牛肉やホルモンを用いたフードを武器に、客単価3000円、13.7坪40席で月商500万円を売り上げている。
系列の焼肉店で店長を務めた経験もある統括店長の樋口亮太氏は業態開発の経緯を次のように説明する。
「焼肉は若い男性が好む食べ物というイメージがありますが、焼肉店のお客さまには実は女性が多いのです。そこで、肉好きの女性をターゲットに据えた、肉料理に特化していながら女性がひとりでも入店しやすい店をつくろうと考えました」
その狙い通り、来店客の5割を30代~40代の女性客が占める。
フードは来店客の9割が注文するアンガス牛のハラミ500円をはじめとする肉やホルモンの焼物22品の他、店内調理による前菜8品や野菜料理6品、揚物5品、ごはん物3品をラインアップする。
看板商品である焼物について樋口氏は「焼肉店やホルモン店との差別化を狙って厨房でベストの状態に焼きあげて提供するように心がけています」と話す。その言葉通り、焼物は食材の特性に応じて2通りの加熱方法を採用。和牛サーロイン(300g)や和牛フィレ(150g)各2800円、和牛バラ肉600円といった赤身肉は鉄板で加熱。一方、トロテッチャン450円やミノサンド350円などの脂身の豊富なホルモン類は炭火によって網焼きしている。
焼物以外のフードはイタリア料理店の料理人をメニュー開発者に起用して開発。パート・アルバイトにも仕込みや調理を任せられるマニュアルを整備し、これにより調理スタッフは常時4人体制としながら人件費率を26%にとどめている。
効率的な利用で、上質な肉を使いながら食材原価率を抑える
食材原価率は27~28%で推移。上質な牛肉を使いながらこの数値を実現しているのは、系列の焼肉店との一括仕入れによる効果とともに、端肉を煮込みやテリーヌなどに利用して食材ロスを抑えていることによる。
「人件費、食材原価率ともに飛び抜けて低いわけではありません。しかし、どちらも可能な限り圧縮し、そのうえで営業時間を17時~翌5時と長く設定することで収益を確保する構造としています」(樋口氏)
アルコールは女性にアピールしやすい自然派と国産を中心に揃える。ボトルは泡を含めて2500~8600円で27種、グラスは同様に450~650円で7種を用意する。
まもなく開業から4ヵ月が経つムー。これまでの集客の勢いがひと段落すると見込む樋口氏は「サービスと料理の磨きあげに取り組み、客単価1割増をめざします」と話す。
DATA
TEL.06-6282-0202
営業時間:17時~翌5時(L.O.翌4時)
月曜
オープン:2012年6月
店舗規模:13.7坪34席
客単価:3000円
月商:500万円
原価率: 26%
アルコール売上げ比率: 30%
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