焼鶏串焼 どろまみれ(新宿・代々木・大久保)
東京・曙橋に2010年9月にオープンした「焼鳥串焼 どろまみれ」は、毎日丸鶏の状態で仕入れる比内地鶏と、埼玉・狭山ヶ丘の契約農家が直送する新鮮な野菜を売りにした居酒屋である。
「比内地鶏の濃厚な旨みに惚れ込んんだことが業態開発のきっかけです。これをリーズナブルな価格で提供すれば、二等立地でも集客できると考えました。また、焼とり店で野菜を売りにしている店が少ないことにも着目し、野菜料理を豊富に取り揃えることで女性客にもご来店いただける店をめざしました」と㈱どろまみれ代表取締役の礒部剛宏氏は語る。
その狙いは見事に当たり、人通りの少ない幹線道路沿いの雑居ビルの2階という立地ながら、17坪30席が週末は2・5回転する繁盛ぶりを見せている。主客層は30代〜50代の男女。女性のグループ客も多く、客単価は4500円を確保する。
お値打ち商品とは別に、手間をかけた商品で原価率を抑える
フードメニューはグランドとおすすめを合わせて84品。比内地鶏の焼とりは13品で、せせり280円、砂肝220円といった定番の部位の他、はらみ280円、はつもと290円といった希少部位もラインアップする。この他、鳥刺し850円、鶏皮ポン酢580円といった鶏料理も9品を用意。丸鶏を店内で捌き、残ったガラで炊き出したスープを200円で提供している他、名物!草鍋(1人前)980円にもそのスープを活用。草鍋は冬季に8割の組客が注文する売れ筋商品となっている。
もうひとつの商品の柱である野菜料理は仕入れに応じておすすめメニューとして提供。玉葱とろとろ煮込み、山盛り!青ねぎシラスまみれ各480円といったメニューを20品前後ラインアップする。
「開発側が『やりすぎた』と感じるほどの思い切った商品でないとお客さまの印象に残らない」(礒部氏)という考えから、看板商品である名物つくね390円やねぎ間350円、農園の十五種生野菜盛り780円には単品原価率50%以上を投じてお値打ちを訴求。生野菜盛りは縦半分に割った竹を器にして20種類以上の野菜を盛り、華やかな商品に仕立てている。その一方で、その他の野菜料理は原価を抑えながらも手間をかけることで商品価値を生み出し、トータル原価率を27%に保っている。
アルコールの柱は焼酎17品500〜800円と日本酒7品680〜1100円。この他、生ビールは580円、角ハイボールは480円で提供しており、アルコール売上げ比率は40%を確保する。
今後の展望について礒部氏は「3年以内に3店体制が当面の目標です。その後はお通しで提供している焼売の専門業態を開発して多店化をめざしたい」と語る。
DATA
TEL.03-6380-1197
営業時間:18時~翌3時(L.O.翌1時、土曜・祝日は17時~23時《L.O.22時》
月曜不定休
オープン:2010年9月
店舗規模:17坪30席
客単価:4500円
月商:-
原価率: 27%
アルコール売上げ比率: 40%
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