クシヤキ&ワインバル ピッキオ(東京・上野・日本橋)
2011年12月に東京・日本橋にオープンした「クシヤキ&ワインバル ピッキオ(ピッキオ)」は屋号が示すように串焼きをフードの柱に据えたワインバルである。定番で揃える串焼きは10品。品数は絞り込まれているものの、そのラインアップは鶏、豚、牛の他、仔羊、鴨肉のつくねなどバラエティに富む。さらに、鶏モモ肉はゆず胡椒ソース、豚ハラミは粒マスタード、白レバーはポートワインソースなど、串それぞれに味つけを変える手の込みようだ。
ピッキオは路地裏に位置する雑居ビル2階という視認性の悪い立地に店を構えるが、その個性を呼び水として16坪34席の店内は近隣のオフィスワーカーで連日満席となる集客力を発揮。夜の客単価4000円、月20日営業にもかかわらず、月商は320万円を売り上げている。
経営母体の㈱THREE SUCCESSは東京・新木場に「オステリア ピッキオ」と「うまいもん炙り道場」の2店を展開。ピッキオは3号店にあたるが、同社代表取締役の中山真吾氏はその開発の経緯を次のように説明する。
「オステリアの運営を通じてワインニーズの高まりを実感していました。すでに競合が厳しいマーケットではありますが、ワインと焼とりを組み合わせ、気軽に立ち寄れる大衆的なイメージを打ち出せば新たな市場が掘り起こせると考えました」
ワインの中心価格1000円~2000円で“がぶ飲みニーズ”に応える
当初は焼とりのみを想定していたが、炙り焼き居酒屋でさまざまなタイプの肉を用意したことが好評だったことから、ピッキオも鶏肉以外の串焼きを加えることにした。串焼きは中心価格帯を150〜180円に設定して値ごろ感を訴求するとともに、カテゴリー別原価率35%を投じて品質を追求している。
その他のフードは生ハム、パテ、アヒージョなどバルの定番商品を中心に揃えるが、注目すべきは串焼きに並ぶメニューの柱として「赤字覚悟!」を謳った網焼きの目玉商品を用意していることだ。フォアグラ120g、牛ハラミ250gなどボリューム満点な網焼き4品を各980円で提供。単品原価率50%超をかけ、お値打ちを打ち出している。
アルコールの主力であるワインはボトルで赤27種、白20種、ロゼ2種、泡7種をラインアップ。価格は6割を1000円台〜2000円台に集約してがぶ飲みニーズに応えることで、夜のアルコール売上げ比率は50%におよんでいる。
「駅から離れているため、遅い時間帯の集客が弱いのが目下の課題。ワインの値ごろ感を強化し、2軒め利用を吸収することで月商350万円をクリアすることが第一目標です」と中山氏は語る。
DATA
TEL.03-5205-8410
営業時間:11時30分~14時30分、17時~23時30分(金曜は~翌2時)
土曜・日曜・祝日定休
オープン:2011年12月13日
店舗規模:16坪34席
客単価:4000円
月商:320万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 40%
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