バラババオ(銀座・新橋・有楽町)
イタリア・ヴェネツィアには「バーカロ」と呼ばれる立ち飲みワイン酒場がある。2010年4月に東京・銀座にオープンした「バラババオ」はそのバーカロスタイルを取り入れたイタリア料理店だ。60坪の店内には最大15人程度を収容できるバーカロ(立ち飲みスペース)と70席の客席を設け、コンスタントに月商1200万円以上を売り上げている。
夜だけ営業するバーカロの客単価は約1200円。キャベツ、アスパラ、ホタテ、エビ、ヤリイカといった旬の野菜や魚介類をおつまみに仕立てた前菜は常時20〜25品を用意し、1品100〜250円という破格の価格値で提供する。
25種を揃えるグラスワインもその6割を300円で販売。おつまみ2品とグラスワイン2杯を注文しても1000円以内に収まるという場末の大衆酒場並みのリーズナブルな価格設定だ。
イタリア食材の自社輸入で破格の値づけを実現
一方のレストランの客単価は5000円。ヴェネツィアで修業を積んだ料理長の山崎大輔氏が手がける本場の郷土料理を提供する。
レストランでは3500円、4800円、6800円の3種のコースメニューを用意。「すべてのコースで好みの料理をチョイスできるプリフィックススタイルを採用しています。魚介を使ったパスタや煮込み料理など当店おすすめのヴェネツィア料理を網羅した内容になっているので、新規のお客さまの8割はコースを注文されます」と支配人の谷川貢司氏は話す。
アラカルトは前菜15品400〜1950円、魚・肉料理14品1600〜2800円、パスタ13品1000〜1550円などを提供。約120種揃えるボトルワインは3000円台が中心。さらに追加注文がしやすいようにボトルの4分の1と2分の1の分量のカラフェも用意する。
バラババオを経営するのは、東京都内でイタリア料理店8店を展開する㈱ミキインターナショナル。「弊社はイタリアからワイン1万本とイタリア産食材を年に6〜7回まとめて自社輸入しています。全店ぶんのワインや食材を一括して仕入れることでコストを下げ、そのぶん商品の売価を抑えているのです」と谷川氏は説明する。さらにワインに関しては輸入代理店や酒販店を通さず、イタリアにある20ヵ所のワイナリーと直接取引もしており、高品質なワインを低価格で提供することが可能になっている。
ミキインターナショナルは13年中に9店めとなる南イタリアのトラットリアをイメージしたイタリア料理店の出店を計画。イタリアの各都市をテーマにしたレストランを展開する同社の動向に注目だ。
DATA
TEL.03-3535-7722
営業時間:11時30分~15時30分(14時30分L.O.)、17時30分~23時(21時30分L.O.)、土日祝日は11時30分~23時(21時30分L.O)
無休
オープン:2010年4月
店舗規模:60坪70席+立ち飲みスペース(最大15人収容)
客単価:5000円
月商:1200万円
原価率: 30%
アルコール売上げ比率: 25%
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