右京(表参道・青山・六本木)
東京・麻布十番の裏路地沿いに2011年7月にオープンした「右京」は、和酒と日本料理を提供するダイニングバーである。麻布十番や六本木を生活拠点にする外食経験の豊富な30代〜40代の男女をメインターゲットに据え、客単価5500円を確保。18坪31席の客席が平日1回転以上、週末2〜3回転する繁盛ぶりを見せている。
アルコールは250種以上におよぶ豊富な品揃えが売りで、主力の日本酒は80種前後、焼酎は100種前後をラインアップ。この他、果実酒42種やウイスキー7種、ラム11種なども用意するが、ワイン以外のアルコールはほぼすべて国内産を揃えている点にも個性が光る。
少量売りを採用しているのも特色で、日本酒は半合と1合の2サイズ、焼酎や果実酒、ラムなどはミニ、S、Mの3サイズを用意する。メニューブックには産地と味わいの特徴を表記することで、アルコールにあまり詳しくないお客も楽しめるように工夫し、間口の拡大を図っている点も見逃せない。
日本酒は全体の約半数を半合490円、1合980円で提供するなど、価格帯をできる限り集約して注文のしやすさを訴求。アルコール売上げ比率は50%を確保する。
“料理人”を揃え、しっかりとしたメニューを提供
また、バー業態でありながら料理の質と品揃えを追求している点も右京の大きな強みである。調理スタッフは日本料理店の出身者など4人を正社員として採用しており、フードアイテム数は95品。右京特製カツオの酒盗580円といった珍味をはじめ、刺身各種680円〜、小芋と京人参とこんにゃくの炊き合わせ580円といったおばんざい、ジーマーミー豆腐550円、アジのなめろう700円といった酒のつまみになるメニューを中心に提供する。その一方で、「しっかり食事をしたい方にも満足していただけるように」(岡田氏)、カニクリームコロッケ自家製タルタルで700円といった食べ応えのあるおかずや、締めのメニューの品揃えも拡充。絶品!名物トリュフたまごかけご飯1800円、トロける!和ダレつゆだくフォアグラご飯1400円は高価なイメージのある食材を使用することで訴求効果を高めた商品であり、ともにテーブル注文率50%におよぶ売れ筋メニューとなっている。
内装はカウンターの上に江戸切子のランプを吊るし、ファサードには笹を植えるなど、和の意匠を活かしたデザインを施す。その一方で、店前にはウッドデッキのテラス席を設置し、ギンガムチェックのシャツをスタッフユニフォームとして採用するなど、洋の要素を巧みに織り交ぜることで独自性を生み出している点もユニークだ。
DATA
TEL.03-6804-6646
営業時間:18時〜翌4時
無休
オープン:2011年7月
店舗規模:18坪31席+テラス8席
客単価:5500円
月商:-
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 50%
URL: -