晩杯屋 大井町店(品川・五反田・目黒)
東京のJR大井町駅西口からすぐの東小路飲食店街には、そこだけ時代に取り残されたように小さな居酒屋やスナックが軒を連ねている。その一角に2012年3月26日に開業した「晩杯屋」大井町店は、1階に最大30人収容の立ち飲みスペース、2階に40席の客席を設けた大衆酒場だ。
平日は15時の開店とともに年配客を中心とした近隣住民が訪れ、18時過ぎともなればスーツ姿のサラリーマンがわれ先にと詰めかける。1階だけで1日180〜200人、2階で70〜80人を集客する大繁盛居酒屋である。
経営母体は㈱アクティブソース。09年8月に東京・武蔵小山に「立ち飲み 晩杯屋」を出店しており、大井町店は同社の2店めとなる。
「酒販店でお酒を買って家で飲むよりも安く飲める庶民のための大衆酒場をめざしました」と同社代表取締役の金子源氏が話すように、晩杯屋の売りは破格の安さである。
つまみのプライスポイントは130円〜180円
フードメニューはツーオーダーで揚げる揚げ物と築地で買いつけた鮮魚料理を中心に毎日40品前後を揃えているのだが、驚くべきことにその半数以上を100円台で提供している。1日の出数が150〜200食にも達する煮込みは130円、肉厚なアジフライは110円、マグロ刺しや山かけが200円といった具合である。
「価格は抑えていますが、ボリュームには自信を持っています。おひとりさまならば2〜3品ご注文いただければ十分満腹になるでしょう」(金子氏)
アルコール売上げ比率は65%。ビールや焼酎、ホッピーなど30品を用意しており、アルコールメニューの中で最安値のチュウハイ230円は1日300杯を販売する。客単価は非公開だが、1人1500円も支払えば相当に酔ったうえ、満腹になれることは間違いない。
晩杯屋が驚異の低価格で商品を提供できるのは、金子氏が独立前に卸売市場でサプライヤーとして働いていた経験によるところが大きい。「業者の方と信頼関係を築き、売りたいと思っているものを大量に買ってあげる。そうすれば仕入れ値を抑えることができるのです」と金子氏は説明する。
また、刺身は営業前に切りつけておき、チュウハイや熱燗には専用サーバーを使用。オペレーションの効率化を図り、人件費を抑制するとともに、提供時間を短縮して客席回転率を上げている。
13年2月6日には武蔵小山におでんと鉄鍋の店「八色」をオープンした。金子氏は物流効率を考慮しながら出店立地を見極め、今後も積極的に出店していく考えだ。
DATA
TEL.03-5460-0313
営業時間:15時〜23時(土・日曜・祝日は13時〜)
無休
オープン:2012年3月
店舗規模:20坪40席+立ち飲みスペース(最大30人収容)
客単価:1500円
月商:−
原価率: 33%
アルコール売上げ比率: 65%
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