大衆鳥酒場 ひよっこ 大山店(池袋・高田馬場・早稲田)
東京都板橋区の東武池袋線大山駅前は、チェーン居酒屋や個人経営の飲み屋などが軒を連ねる居酒屋激戦区だ。そうした中、オープン10ヵ月で1日平均40人を集客する健闘ぶりを見せているのが、「大衆鳥酒場 ひよっこ(以下、ひよっこ)」大山店である。
フードメニューは180〜480円を中心価格帯とした計70品。そのうち30品を占めるのが宮崎県産の霧島鶏を用いた鶏料理で、モモ肉焼き並盛450円など11品を揃える焼き物が売れ筋だ。串打ちせずに特注の網焼き器で焼いて提供するスタイルを採り、手間や原価を抑えつつロスや品切れを防いでいる。
一方でもうひとつの核商品である鶏唐揚げは部位と4種のたれの組合せで10品をラインアップ。380〜580円で提供し、目下のところ客単価は2300円で推移している。
ハッピーアワーは破格値のドリンクを提供
ひよっこの営業時間は15時〜翌3時。店主の北野達巳氏は近隣の競合店が営業していない時間帯に店を開け、まずは店に来てもらおうと考えた。そうした方針から15〜18時をハッピーアワーとし、ハイボール360円を半額の180円、エビスビール中ジョッキ480円を290円という破格値で提供している。
「この時間帯は宣伝広告と割り切っていますから、10円でも利益があれば十分です」と北野氏は言う。一方で翌0時以降はチェーン店以外の居酒屋のほとんどが閉店するため、深夜に帰宅の路につく地元客の取込みに成功している。
「住宅街立地ですから、常連客をどれだけ確保できるかが勝負。周辺には長年の常連客を持つ居酒屋が多く、あまり他の店に浮気してくれない。いまは来店していただくきっかけをひとつでも多く仕掛けていこうと試行錯誤しているところです」
そう語る北野氏が次に打ち出したのが、「ハイボール・カーニバル」というゲーム性の高いイベントだ。お客がサイコロを振ってぞろ目が出たらハイボール1杯無料、偶数目なら1杯半額、奇数目は1杯倍額というルールで、ほぼすべてのお客が一度は挑戦するという。
「大山界隈では、チェーン店以外でハイボールを提供している居酒屋がなかった。イベントを打ったことで一気にハイボールの店として認知された」と北野氏は語る。
ドリンクは麦とホップ中ジョッキ290円、焼酎グラス380円〜など約62品を揃え、アルコールの売上げ比率は実に60%にも達する。
15坪26席の規模で2人体制で運営していたために月商は260万円に留まっていたが、人員を3人に増やしたことで月商300万円も視野に入ったという。さらに2011年11月には2号店の出店を果たした。
DATA
TEL.03-5926-3232
営業時間:15時〜翌3時
不定休
オープン:2010年9月
店舗規模:15坪26席
客単価:2400円
月商:260万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: 58%
URL: -