Positive Imbalance 歩路庵 中目黒店(品川・五反田・目黒)
東京・中目黒の「Positive Imbalance 歩路庵(歩路庵)」中目黒店は業態のカテゴライズが難しい店である。客単価は9500円。フードはお造りをはじめとした鮮魚料理が柱になるが、メニューにはパスタなどの商品も揃え、アルコールもワインをメインに据える。日本料理店でも居酒屋でもなく、ビストロやトラットリアとも異なる。和食とフレンチ、イタリアンを融合させた、いわば「くずし割烹の進化形」とでもいうべき営業スタイルを採っているのだ。
経営母体は㈱ポジティブアンバランス。代表取締役の林祐宣氏は米国の和食店で修業を積んだ後、2001年に兵庫・神戸に歩路庵神戸本店を開業した。11年5月にオープンした中目黒店は歩路庵の2号店にあたるが、東京でもその集客力を遺憾なく発揮。18坪23席の店内は連日予約客だけで満席になる盛況ぶりを見せ、月商450万円を弾き出している。
鮮魚はすべて天然物。メニューは日替りのみで構成
鮮魚の仕入れ状況に合わせるため、歩路庵のフードメニューは日替りのみで構成される。アラカルト40~50品(中心価格帯1400~2800円)も用意しているが、注文の8割以上を占めるのがコースメニューだ。コースは2人でシェアできるちょこちょこ6種8000円、おまかせコース1人前5000~1万円の2種。おまかせコースは看板商品である関西直送の白身魚、カニ、焼き寿司を柱に10~12品で構成するが、特筆すべきはその内容の充実ぶりである。
コースは予算と好みに合わせてそれぞれのお客で構成が異なるが、5000円の一例を挙げれば、①甘エビと白魚、菜の花の酢の物、②平目の薄造り、③タラ白子のパルミジャーノチーズ焼き、④炙り金目鯛と甘鯛のお造り、⑤真ガキ、⑥松葉ガニと香箱ガニの塩茹で、⑦メジマグロと炙り〆サバのお造り、⑧ホタテとウニの磯辺焼き仕立て、⑨焼きアナゴの茶わん蒸し、⑩明石鯛の焼き寿司、⑪車エビと8種の野菜のサラダ、といった内容だ。
鮮魚はすべて天然物を用いるだけでなく、「手当てによって品質が左右される」(林氏)ため、関西直送の鮮魚は活けの状態で仕入れ、店内で締めて血抜きなどを徹底。カニは食べやすく剥き身にし、2人前で1~1.5杯ぶん(分量は種類やサイズにより異なる)を盛りつけるなど、原価率40~45%を投じて品質、ボリュームとも圧倒的なお値打ちを打ち出しているのである。
当初の客単価は7000円前後。リピート率は60%を超えるが、再来店するお客がおまかせコースの予算を上げて注文することが多く、それにともなって客単価が上昇した。この点からもおまかせコースに対する信頼度の高さがうかがえよう。
DATA
TEL.03-3711-6855
営業時間:18時〜翌0時(L.O.23時)
月曜定休(祝日の場合は営業、翌火曜が休み)
オープン:2011年5月15日
店舗規模:18坪23席
客単価:9500円
月商:450万円
原価率: 45%
アルコール売上げ比率: 40%
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