大衆鳥居酒屋 鳥椿 鶯谷朝顔通り店(東京・上野・日本橋)
東京の下町・鶯谷の路地裏に2011年11月にオープンした「大衆鳥酒場 鳥椿(鳥椿)」鶯谷朝顔通り店は、居酒屋にもかかわらず、朝10時から営業して昼飲み需要を吸収。7坪14席で月商200万円、店の前に椅子とテーブルを出して営業する夏場は250万円を売り上げる大衆居酒屋だ。
オーナーは東京・大山の「大衆鳥酒場 ひよっこ」など都内で3店の居酒屋を展開する北野達巳氏。鳥椿は同じ場所で営業していた同名の居酒屋の内外装のみならず、店名までも引き継いでオープンした。
「初期投資は物件取得費も含めてわずか100万円。メニューの内容を変更して、売り方にちょっとした工夫を加えただけなのですが、売上げは以前の店の4倍に伸びました」と北野氏は平然と話す。
そんなことが可能なのだろうかと訝しがる向きもあるかもしれないが、それだけ鳥椿の商品の売り方はユニークなのである。
遊び心あふれる仕掛けがアルコールの追加注文を促進
たとえば、「チンチロリンハイボール」。これは梅や生姜など5種を揃えるハイボール各300円を注文したお客が2つのサイコロを振り、出た目がゾロ目なら無料、足して偶数なら半額、奇数なら倍額の600円になるというルールだ。
ちなみに奇数が出て倍額になった場合、通常の2.5倍の量を注げる特大ジョッキで提供するのでお客は絶対に損をしないことになっている。
また、ホッピーのセット(小390円、大590円)を注文し、中身(小200円、大400円)を追加注文すると、キンミヤ焼酎を一升瓶ごとに提供。お客はグラスに好きなだけ注ぐことができる。
「実際、ホッピーを足すぶんを空けておかなくてはいけないので、入れられる量は限られているんですけどね」と北野氏は笑うが、こうした遊び心のある仕掛けが、アルコールの追加注文を促していることは想像に難くない。
フードメニューは1〜2人客を想定して小ポーションで提供。霧島鶏を用いた鶏料理を看板メニューとして訴求している。中でもレバやハツ、セセリなどの部位を2枚の特注の網の間に挟んで焼き、一口サイズにカットして提供する鶏焼き250〜450円が売れ筋だ。
その他、おつまみ26品、揚げもの、ごはんもの各5品などをラインアップしている。フードの価格は100〜450円、プライスポイントは250〜400円。客単価は1800円前後で推移している。
北野氏は、「開業以来、客数は増え続けている。とくに夜勤明けの病院関係者が来店するようになるなど、昼間の客数が増加しています」と話し、確かな手応えを感じている。
DATA
TEL.03-5808-9188
営業時間:10時〜23時(L.O.22時)
不定休
オープン:2011年11月
店舗規模:7坪14席
客単価:1800円
月商:200
原価率: 31%
アルコール売上げ比率: 60%
URL: -