たまな食堂(表参道・青山・六本木)
東京・表参道に2011年4月にオープンした「たまな食堂」は、玄米菜食を売りにしたダイニングである。商業施設が建ち並ぶ東京・南青山の後背に広がる住宅地の裏通りに立地し、主客層は30代〜60代の会社員。ランチの客単価1800円、ディナー4500円を確保し、44坪28席で月商800万円を売上げる繁盛ぶりを見せている。
経営母体はソフトウェアメーカーのグループ企業であるクオリティライフ㈱。たまな食堂をオープンしたきっかけは、同社代表取締役社長の浦聖治氏が体調を崩し、食事療養として玄米菜食を採り入れたことだ。出店の経緯についてディレクターの加藤典子氏は次のように語る。
「たまな食堂を出店する以前の10年12月にマクロビオティックカフェを開店しました。ただ、マーケティングプランがないままにオープンしたこともあり、開店から4ヵ月でクローズ。そこで11年4月に玄米菜食をテーマにしたたまな食堂としてリニューアルし、料理に自家製塩麹や醤油麹を取り入れたところ、マスコミに注目されるようになりました」
フランスやイタリアで修業した料理人を起用し、玄米菜食をコースで提供
メニューは関西のおばんざいにフランス料理の要素をプラスした創作料理を提供。動物性タンパク源の食材は使わずに有機野菜と自家製の調味料を使用し、かつ玄米は和歌山県の契約農家から直接仕入れる有機米を使っている。
ランチには名物のたまな定食1800円をはじめ、ベジサンドや玄米茶粥といったメニューの他、本日の一汁三菜1300円、お昼のお野菜コース2500円など計9品を提供する。ディナーにはお通し、前菜、オードブル、スープ、玄米・味噌汁・香の物、デザート、食後の飲み物をコース仕立てにした森のやさいコース4500円と、これをベースに前菜の品数を減らし、料理内容をシェフのおまかせとした木のやさいコース3500円の2つを看板メニューに据えている。
この2つのコースの注文率は約7割に達するが、シェフにはフランスやイタリアで修業を重ねた料理人を起用。玄米菜食をコースで提供するスタイルが接待需要の吸引にも一役買っている。
アルコールの主力は発芽玄米の日本酒やシェフがセレクトするビオワインで、ワインは赤・白・泡を合わせて常時16種を用意。2500〜5750円のボトルも提供し、アルコール売上げ比率は20%を確保している。
たまな食堂は料理教室やセミナーなども開催しており、こちらも女性客を中心に予約待ちが生じるほどの盛況ぶりだ。今後は熟年男性をターゲットに据え、玄米菜食の認知度アップに力を注ぐ考え。
DATA
TEL.03-5775-3673
営業時間:10時〜15時30分(L.O.14時30分)、18時〜22時30分(L.O.22時)
無休
オープン:2011年4月
店舗規模:44坪28坪
客単価:4500円
月商:800万円
原価率: 32%
アルコール売上げ比率: 20%
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