東京・中目黒駅から徒歩1分の立地にある「港町バル」は、宮城・石巻から直送する魚介と白ワインを主力商品に据えたバルだ。2012年12月にオープンし、13・3坪28席の規模で月商450万円を売り上げている。
　経営母体は宮城・仙台でイタリアンや居酒屋など7店を経営する㈱林デザインオフィス。同社は12年4月に中目黒駅から徒歩10分の場所にビストロ「屋根裏のパリ食堂（パリ食堂）」を出店しており、港町バルは都内2号店となる。
　同社代表取締役の林泰弘氏は、「パリ食堂は駅から離れているので地元客が気軽に通えるようなビストロをめざしました。一方、港町バルは駅前立地。よりエッジを利かせなければ集客は難しいと考え、石巻の魚介と白ワインという明確なコンセプトを打ち出したのです」と業態開発の狙いを話す。
　港町バルでは魚介の中でも牡蠣、ホタテ、ムール貝といった貝類に力を入れている。とくに1日100個を販売する牡蠣は、生に近い状態をキープできる窒素冷凍の状態で仕入れ、蒸気で蒸しながら火を入れる「ヴァポーレ」という調理法を施して提供。宮城産石巻直送!! “新昌”のブランド牡蠣!!として1個350円、4個1000円、6個1440円で販売している。
「生ガキをメニューの主体としたオイスターバーは、他にもたくさんあるのでおもしろ味がない。そこで港町バルではヴァポーレを取り入れて、商品をより洗練させることにしたのです」（林氏）

※上の写真は、手前から三陸魚介のワイン蒸し　M800円、宮城産石巻直送!!“新昌”のブランド牡蠣!!　4P1000円、南部鉄器!!　豪快ナベめし M1600円、ザ！ 港町プラッターバーニャカウダー1480円、漁師風!! 豪快!! 本日の男前パスタ!! M1480円

13.3坪で月商450万円を売るメニューとは

　その他のメニューには、「本日のおすすめ」として、その日に仕入れた魚介をアヒージョやフリット、ワイン蒸しなどで提供。タパス6種やサラミ、生ハムといった肉メニュー8種などを揃える。
　調理段階で出る魚介のエキスを用いた南部鉄器!! 豪快ナベめしＭ1600円、スパゲティに魚介をトッピングし、フライパンごと提供する漁師風!! 豪快!! 本日の男前パスタ!! Ｍ1480円といった個性的な〆メニューも売れ筋だ。
　アルコールの主力は35種を揃える白ワインで、2800円、3300円、3650円、3800円の4ラインに価格を設定。銅のマグカップで提供するサングリア520円などのワインカクテルも揃えており、アルコール売上げ比率は50％に達する。
「近隣にはデザイナーなどクリエイティブ関連の事務所が多いために21時以降に来客が集中している一方で、いまは早い時間帯の集客が弱い。今後は効果的に予約を取れるシステムを導入するなどして客席稼働率を上げ、坪月商を40万円台に乗せたいですね」と林氏は語る。