大阪府・肥後橋の古びたオフィスビルが密集する路地に店を構えるのが、立ち飲みをメインにしたイタリアンバール「チュカテ」だ。2009年7月にオープンし、立ち飲みカウンターとテーブル8席を配した14坪の店舗で1日平均60人を集客する人気振りを見せている。
　オーナーの辻龍平氏はリストランテ、トラットリア、バールなどイタリア料理店に計5年間勤務した経験を持つ料理人だ。「カジュアル業態からアッパー業態まで、幅広く経験しましたが、自分には肩肘張らずにお客さまと接することができるバールという業態が向いていると感じました」と辻氏は語る。
　フードメニューは約60品をラインアップ。つくり置きの前菜6～7品300円～、串焼き約10品150円～、メインディッシュ約10品600円～、パスタ約5品500円～などを揃えており、メニューの半数がその日仕入れた食材によって内容の変わる日替りメニューだ。
　中でも人気なのはウズラ、ホロホロ鶏、カモなどの高級食材を含む常時５品程度を揃える炭火焼きで、50ｇ300円からの量り売りで提供。お手ごろ感を出している。
「めざしているのはワンランク上の立ち飲み店です。いままで培った知識と技術を生かした料理をできるだけ安価で提供したいと考えています」と辻氏。フードの原価率は40％に達するという。

本格メニュー満載の内容で幅広い客層に人気

　また、魚介を丸ごと煮込んだアクアパッツァ1000円やフォアグラを豚バラ肉で巻いてソテーにしたフォアグラと豚肉のロトロ600円などを揃えるメインディッシュの一部やパスタは通常価格の半値でハーフサイズも用意することで使い勝手の良さを追求。1人客や2軒目利用といったニーズも摑んでいる。
　ドリンクの柱はビールとワイン。生ビールは350円、グラスワイン赤白各1種は350円、約30種揃えるボトルワインも2000～3000円と値ごろ感のある価格設定で、アルコール売上げ比率は50％を確保している。
「お客さまのうち6割くらいが常連の方です。ありがたいことに毎日のように顔を出してくれる方もいらっしゃいます」と語る辻氏。今後はサービスにも力を入れることで、リピート率をさらに高めていく意向だ。