鉄板焼・鉄板創作串料理 鉄板神社 福島店(大阪)
大阪市福島区のJR福島駅から西へ徒歩約5分。商店やレストランが連なるエリアに2010年6月に開店したのが「鉄板神社」福島店だ。
運営は㈱寿幸。代表の田中寿幸氏は2003年に福井県から来阪し、1年間鉄板焼き店で修業。2007年に大阪・心斎橋に16坪22席の「鉄板神社」を開店して独立を果たした。2010年5月には早くも大阪・北新地に2号店をオープン。福島店は北新地店に次ぐ3号店で、2011年7月には心斎橋に道頓堀店も開店している。
屋号が示す通り、福島店を含めた鉄板神社全店の形態は鉄板焼き店なのだが、主力商品は80~320円で提供する串焼き48品。これを串焼き用のグリラーではなく、鉄板で焼き上げて提供する点がユニークである。
福島店のフードメニューには串焼きの他、鉄板焼きメニュー15品や一品料理14品、ごはんものやデザートを揃えるが、注目すべきはコースとアラカルトの注文比が8対2で推移していることだ。コースはお客がストップをかけるまで串焼きを中心としたメニューを提供していく「おまかせ」のスタイルを採るが、この提供方法によって客席回転率を高めていることも見逃せない点である。
きめ細やかな接客でコース主体の営業体制を確立
いわば鉄板焼き店と串焼き店、さらには串揚げ店の諸要素を組み合わせような営業スタイルをとるわけだが、一方で「おまかせ」の注文率が8割に達する理由は、ハイタッチなサービスによるお客と店の信頼関係にある。
たとえば福島店は営業中に社員7人を配置し、2組につき1人の割合で接客を担当している。そうすることで細部まで行き届いたサービスを実践しているわけだ。
また、お客の服装や年齢、グループ構成や食の好みなどのデータを細かく記録し、常連客には一見客の倍以上の質量を持ったコミュニケーションをとってサービスの深堀りに注力。その結果が「本店は100%」と田中氏が胸を張る高いリピート率に表われている。
さらに、毎日5時間かけて行なう仕込み作業によって営業中のオペレーションを効率化している点にも注目だ。たとえば串焼きは最終加熱を残した状態まで仕込みで仕上げてストックするが、これによってスタッフがサービスに意識を集中できる営業体制を整えているのである。
目下のところ福島店の客単価は4000円。22坪35席の規模で月商500万円を売り上げているが、今後の目標について田中氏は、「開店後から1000万円以上を売り上げる道頓堀店、本店の月商をめざしたい。またグループ全体では原価率を上げても、味の向上を追求する戦略を立てていく」と力強く語る。
今後ますますの発展が期待できそうな企業である。
DATA
TEL.06-6451-9522
営業時間:17時~翌3時
無休
オープン:2010年6月28日
店舗規模:22坪35席
客単価:4000円
月商:500万円
原価率: 30%
アルコール売上げ比率: -
URL: -