ヴェネツィア料理酒場 リ スカンピ(新宿・代々木・大久保)
東京・神楽坂に2010年9月にオープンした「ヴェネツィア料理酒場 リ スカンピ」は、日本では希少なスカンピを売りにしたイタリアンバールだ。裏路地沿いの階段を5段昇ったところがエントランスという視認性の悪い物件に入居するが、客単価4500円、7坪17席の規模で客席が連日1.5回転以上する繁盛ぶりを見せている。
オーナーの及川博登氏は学生時代に訪れたイタリア・ヴェネツィアの街に魅了され、その魅力を日本に伝える方法として外食業を選択。都内やイタリアのレストランなどで修業を積んで独立を果たした。
「ヴェネツィア料理といってもお客さまはイメージができない。そこで、ヴェネツィアでよく食べられているスカンピに注目しました。日本では主にレストランで使用される食材ですが、それを気軽な価格で提供しようと考えたのです」(及川氏)
スカンピを使用したメニューは前菜、メイン、パスタのカテゴリーにそれぞれ1〜2品を組み込んでおり、ほぼ全組のお客がスカンピ料理を注文する。売れ筋はスカンピのグリルで、海外産Mサイズ4尾1280円と1日2尾限定で提供する国内産LLサイズ1尾2000円を用意。スカンピ料理には原価率50〜60%を投じてお値打ちを訴求する。
ビーゴリやポレンタなど手づくりにこだわり、現地の味を再現
フードはヴェネツィア料理のみで32品。パスタ1280〜1480円はヴェネト州の郷土パスタであるビーゴリを毎日手打ちしている。この他、仔牛のレバーと玉ねぎ炒めポレンタ添え1080円などに添える北イタリアの庶民料理ポレンタもトウモロコシ粉を練るところから手づくりして現地の味を再現する。
一方で冷たい前菜盛り合わせ4種980〜6種1580円のように、あらかじめ仕込んでおけるクイックメニューも取り揃えて提供時間の短縮に努めている。
アルコールの売りは自然派ワインで、ワインはヴェネツィア近郊産のみをラインアップする。グラスとボトルの売上げ比率は7対3。グラスは赤・白それぞれ6種、泡2種を550〜1000円で提供しており、ボトルの売れ筋は4000円台〜6000円台となっている。
年1回スタッフ全員でヴェネツィアを視察し、その経験をメニュー開発や食材の開拓、接客に反映させている点も見逃せない。「自分たちの想いや経験をお客さまに伝えることが客単価アップやリピートにつながっており、そこが店づくりの原点だと思っています」と及川氏は語る。
現在、及川氏は同じ神楽坂エリアで2店めの出店準備を進めている。業態はイタリア南部プーリア州の郷土料理専門店とする予定だという。
※写真手前は海外産スカンピのグリル〜レモンとケイパーのソース〜Mサイズ4尾1280円、奥はスカンピのパンナコッタ980円。ワインはヴェネト州産の自然派ワインのみをボトルで100種以上3400〜1万2000円で取り揃える。
DATA
TEL.03-3267-6558
営業時間:18時〜翌2時(日曜は15時〜翌0時)
月曜・祝日定休
オープン:2010年9月4日
店舗規模:7坪17席
客単価:4500円
月商:-
原価率: 40%
アルコール売上げ比率: 55%
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