オ デリス ド ドディーヌ(東京西部)
半頭買いする豚肉を頭から足の先まで使い切り、多彩な豚肉料理に仕上げる。2013年2月に東京・大門に開業した「オ デリス ド ドディーヌ」は豚肉料理のバラエティを売りとして大ヒットを飛ばすビストロだ。店は人通りの少ない路地に立地するが、近隣のオフィスワーカーを中心に抜群の集客力を発揮。16坪28席の規模で月商550万円を弾き出している。
オーナーシェフの加藤木裕氏は東京都内の複数のフレンチレストランで10年以上の修業を積んだ後に独立を決意。業態づくりでは「2人客で支払額1万円」を基準に据えたという。「めざしたのは手頃な価格でありながら、品質、ボリューム、バリエーションの三拍子が揃ったビストロ。豚肉なら食材を厳選すれば原価を抑えても、十分なクオリティを打ち出せると考えました」と加藤木氏は開発の経緯を説明する。豚肉は数十種類のサンプルを試食し、茨城県産のブランド豚「もち豚」を選択。週1回のペースで内臓肉を含めた半頭ぶんを農家から直接仕入れている。
※写真手前から奥に茨城県産いも豚ロースのロティ1780円、自家製ソーセージ 豆の煮込み添え1300円。ロースは350g、ソーセージは1本120gといずれもボリューム満点だ
原価率50%超のメニューも用意する一方、豚肉の半頭買いで原価を抑制
フードはグランドメニュー24品、日替りメニュー10品前後を揃えるが、そのうち豚肉料理は10品を占める。メインの肉料理は10品を用意し、1580円を中心価格に据えて値頃感を訴求。売れ筋の茨城県産いも豚ロースロティ1780円にはロース肉350g、シュークルート1780円も塩豚バラ肉、ソーセージ、ベーコン計350gを使用するなど、2人で取り分けることを想定したボリューム満点の商品を揃えている。
肩肉はブレゼ、モツはバスク風煮込みなど豚肉は部位ごとに商品化。骨もスープにし、ソースとして使用する他、余剰の部位は自家製ソーセージや日替りメニュー、ランチなどに活用して半頭買いの豚肉をロス率0%に抑えている。フードは鴨肉や仔羊などを使ったビストロ定番の肉料理も用意しているが、そこでは単品原価率50%超をかけて高品質とボリュームを追求。豚肉を半頭買いして原価抑制を図ったうえで、原価率38%を投じてバリューをとことん追求することで競合店との明確な差別化を図っているのだ。
アルコールのメインであるワインはフランス産のみボトル40種前後、グラス7種を揃え、ボトルの中心価格帯は4000円台に設定。肉料理を柱に注文パターンを想定しながら各商品の価格を導き出すことで、夜の客単価は狙い通りの5000円で推移している。
好調な業績を受けて、14年中には2号店の出店も計画。「オ デリス ド ドディーヌで3店まで店数を伸ばすのが第一目標。それを達成したら新業態にもチャレンジしていきたい」と加藤木氏は意欲的に語る。
DATA
TEL.03-6432-4440
営業時間:11時30分~15時(L.O.14時30分)、18時~23時30分(L.O.22時30分)
無休
オープン:2013年2月7日
店舗規模:16坪28席
客単価:5000円
月商:550
原価率: 38%
アルコール売上げ比率: 50%
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