カレーは飲み物。(池袋・高田馬場・早稲田)
東京・池袋に店を構える「カレーは飲み物。」のメニュー構成はきわめてシンプルだ。商品は黒い肉カレーと赤い鶏カレー各790円の2品のみ。サイドメニューなどはいっさい置かず、カレーの2大看板のみで直球勝負している。それでも週末のランチタイムには50人以上の行列をつくる爆発的な大ヒットを飛ばし、8坪9席の規模で月商500万円を叩きだしている。
オーナーの壬生裕文氏はフランス料理店や洋食店など多岐にわたる外食店に勤め、外食企業で商品開発も担当。20年にわたって幅広い実務の経験を積んできた。2010年9月に肉そばを主力商品に据えたそば店「壬生」を池袋に開業して独立。カレーは飲み物。は2店めとして12年11月にオープンした。
※写真は、手前が欧風カレーをベースにした「黒い肉カレー」、奥がインドカレーをベースにした「赤い鶏カレー」。どちらも価格は790円で、ライスの増量やトッピングが無料。
ごはんは、小・中・大・山盛の4サイズを同一価格で提供
黒い肉カレーは欧風カレーがベースになるが、具材には豚バラ肉とともに大根を使用している。赤い鶏カレーはインドカレーがベースで、具材はコンソメスープで炊いた鶏肉。それぞれに独自性を追求した2タイプのカレーを揃えることで、業態としての個性を強調している。
品質を追求して注文ごとにカレーの仕上げ調理を施していることも注目すべき点だ。ツーオーダーで手鍋にルーと具材、スパイスを合わせて再加熱。「あらかじめ具材をルーで煮込むと食材の品質によってカレーの味にブレが生じやすくなり、スパイスの香りも飛んでしまう。提供時間は長くなりますが、高品質を維持するには仕上げ調理が欠かせません」と壬生氏は説明する。
ルーをかけるごはんはターメリックライスとし、小(200g)、中(300g)、大(400g)、山盛(500g)の4つのサイズを同一価格で提供する。また、トッピングの無料サービスも売りのひとつ。味玉、ポテトサラダ、フライドオニオンなど10種をラインアップし、そこから3種を自由にチョイスできる提供方法を導入している。
「カレー店やラーメン店などで大盛りや好みのトッピングを追加すると価格が1000円を超えてしまうことにストレスを感じていました。業態づくりでは『わかりやすさ』を重視しましたから、トッピングの無料サービスなどで価格面のわずらわしさを解消したのです」(壬生氏)
ライスの大盛、山盛の注文率は計7割以上におよび、具材の豚肉、鶏肉も1人前120g。このボリュームと原価率42%を投じた商品力こそが強力な集客マグネットになっている。13年11月28日には早くも東京・秋葉原に2号店を出店。秋葉原店はオープン告知などをいっさいしなかったにもかかわらず、10坪12席の規模で12月には月商500万円を売り上げるなど、その集客パワーをいかんなく発揮している。
DATA
TEL.03-6912-8823
営業時間:11時~、17時(昼、夜ともにカレーがなくなり次第終了)
無休
オープン:2012年11月3日
店舗規模:8坪9席
客単価:790円
月商:500万円
原価率: 42%
アルコール売上げ比率: -
URL: -