人形町 ピザバル (東京・上野・日本橋)
ピッツェリアとバルの融合を業態づくりのテーマとし、2012年11月に都内の東京メトロ人形町駅至近にオープンしたのが、「人形町ピザバル」だ。
オーナー兼ピッツァイオーロの田代周平氏はその業態設計について、「ピッツァを主役にする一方で、前菜などのフードを幅広く揃えることでピッツェリアとバルの複合業態をめざしました」と説明する。店内も白を基調としたシックなデザインにして、中高年層でも落ち着いて食事ができるように配慮した。そのこともあって、目下のところ来店客のおよそ8割を30代以上のお客が占め、男女比率は5対5で推移している。
メインアイテムであるピッツァの価格レンジは、900〜1800円としてトマトベース8品、チーズベース6品、クリームベース4品の3カテゴリーに分けて計18品を揃える。一方でアルコールのつまみと位置づけるフードは常時25品をラインアップ。その内訳は300〜800円で提供する前菜料理15品に加え、揚げ物4品500〜700円、パスタ6品1200〜1600円という内容だ。この他にサルシッチャのグリル800円などのビストロ料理も5品前後を用意し、夜の客単価は3500円を確保している。
※ピッツァは特注の薪窯で焼きあげる。写真手前が売れ筋のマルゲリータ900円。写真奥は生クリームとウニ、モッツァレラ、万能ネギをトッピングしたウニのクリームピッツァ1800円。イタリア産瓶ビールはモレッティ600円、メッシーナ650円など7種を揃える
フランスパン専用小麦粉を用いて、酒のつまみになるピッツァをめざす
フードの主役であるピッツァはマルゲリータ900円といったオーソドックスなナポリピッツァが主力であり、一見すると特筆すべき個性は見当たらない。しかし、実は人形町ピザバルのピッツァで注視すべき特色はその生地にあるのだ。
「生地に国産のフランスパン専用粉を使うことでモチッとした食感を残しつつ、サクッとした軽い歯ざわりを加えました。食感が軽やかですから、アルコールとの相性がいい。要は酒のつまみになるピッツァをめざしたのです」(田代氏)。
また、生地を一般的なナポリピッツァのサイズより小ぶりな直径27㎝に設定。この2つの工夫がアルコールの注文を促し、オーダーを一品料理に分散させることにつながっているわけだ。現在アルコールの売上げ比率は40%に達しており、フード売上げに占める各カテゴリーの割合はピッツァが50%、前菜が30%、パスタとその他のメニューが20%という実績になっている。
アルコールは7種を揃えるイタリア産の瓶ビール600〜750円とワインが柱。ボトルワインは赤・白各10種を揃え、中心価格帯は2000〜4000円に設定している。
開業以来、13坪20席の規模でコンスタントに月商250万円を売り上げる人形町ピザバルだが、今後について田代氏は、「商品とサービスをブラッシュアップして、月商300万円をめざします」と抱負を語る。
DATA
TEL.03-6661-2917
営業時間:12時〜14時30分(L.O.14時)、18時〜24時(L.O.23時。土日は〜23時〈L.O.22時〉)
日曜、祝日定休
オープン:2012年11月1日
店舗規模:13坪20席
客単価:3500円
月商:250万円
原価率: 30%
アルコール売上げ比率: 40%
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