BeTTei finetable feat.HASHIN(渋谷・恵比寿・代官山)
朝採れの鎌倉野菜と青森県産本鴨を2大看板にした和食ダイニングが2012年1月に東京・恵比寿にオープンした「BeTTei finetable feat.HASHIN(ベッテイ)」だ。JR恵比寿駅から徒歩2分の人通りの少ない路地に立地するが、外食慣れした30代~50代を中心に1日平均35人を集客し、客単価は6500円を堅持。20坪28席の規模で月商550万円をコンスタントに売り上げている。
経営母体である㈱ケーツーシステム代表取締役の松島健二氏は、04年に和食店「くおん」を恵比寿に開業。その後、08年11月に2号店として中目黒に和食ダイニング「HASHIN(ハシン)」をオープンしているが、くおんが入居するビルの1階に空きが出たことをきっかけにハシンを移転。店名をベッテイに変えてリニューアルオープンした。
「ハシンは客単価8000円のアッパー居酒屋でしたから、そのカジュアルダウン業態としてベッテイを開発しました」と松島氏は経緯を話す。
※手前から鎌倉野菜と湘南しらすのサラダ1100円、おすすめタパス 3種盛り(左からりんごとラ・フランスの白和え、生ハムとバジルのポテトサラダ、カボチャのムース)1200円、本鴨のしゃぶしゃぶ(2人前、小蕎麦付き)3900円
生産者と信頼関係を築き、流通量の少ない珍しい食材も提供
フードメニューは青森県産のバルバリー種「銀の鴨」と、長野県長野市「雪村そば」から取り寄せる二八そばをつけた本鴨のしゃぶしゃぶ3900円の他、旬の鎌倉野菜を使ったバーニャカウダ1400円などの一品料理22品を揃える。さらに、移転を機にチャージ制を廃止。代わりに投入したのが、500円の均一価格で提供する日替りの和タパスだ。「常時10品前後用意するタパスを自由に選び、アルコールと一緒に楽しんでほしい」と松島氏は語る。
アルコールの主軸は、グラス500円~、ボトル3000円~の価格でビオワインを中心にラインアップするワイン23品と、松島氏が蔵元を訪れて選んだ日本酒16品700円~。一品料理やタパスとワインのマリアージュも積極的に提案しており、アルコール売上げ比率は40%に達している。
主力食材のひとつである鎌倉野菜は、松島氏自らが神奈川県の鎌倉市農協連即売所(レンバイ所)へ毎朝足を運び、常時約20種の野菜を仕入れている。「5年間通い続けて生産者の方と信頼関係を築いてきました」と松島氏は話すが、流通量の少ないめずらしい品種の野菜も多く、お客との会話のきっかけにもなっており、コミュニケーションの構築にもひと役買っている。
もうひとつの目玉商品である青森県奥入瀬産の本鴨肉は、丸鶏の状態で生産者から直接仕入れており、だしやミンチ、パテなど全部位を余すことなく料理に採り入れている。
今後は3号店の出店も視野に入れ、「食材重視の姿勢は維持し、居酒屋などもっとマスに向けた業態を検討中」と松島氏は展望を語る。
DATA
TEL.03-6412-7639
営業時間:18時〜翌1時(L.O.翌0時、土曜・祝日は18時〜翌0時〈L.O.23時〉)
日曜定休
オープン:2012年1月5日
店舗規模:20坪28席
客単価:6500円
月商:550万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 40%
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