ヴァベーネ (東京西部)
赤身の旨みに秀でた熊本県産の「あか牛」。このブランド牛を用いた肉料理を主役にした肉バルというコンセプトを打ち出し、15坪30席の規模で月商500万円を叩き出しているのが、東京・吉祥寺に2013年4月にオープンした「ヴァベーネ」だ。
料理長の伊藤 泰氏は、イタリアや都内のリストランテで18年にわたる修業経験を持つ。その経験の中で赤身の旨みが強い欧州産牛肉の食味と、和牛ならではの適度な霜降りのコクを併せ持つあか牛の食材としての可能性に着目。それをメイン食材に据え、日本では馴染みの薄い赤身肉の味わいを発信することをヴァベーネの業態づくりの核とした。
※写真右/テーブルオーダー率100%のあか牛の炭焼き ランプ150g1980円。ソース代わりに別皿で西洋マスタード、柚子胡椒、わさびを添えて提供する。前菜の売れ筋は旬の野菜を盛合せた厳選野菜のバーニャカウダ980円
多彩なあか牛料理を揃えて赤身肉の魅力を発信
原価率35%前後を投じたフードは厳選野菜のバーニャカウダ980円をはじめとした480〜980円の価格レンジで揃える前菜25品前後の他、980〜1380円で提供するラザーニャ1160円などのパスタ5品前後、パルマ産生ハム780円など380〜1480円でラインアップするおつまみ15品を揃える。
一方で1280〜4980円で提供する主菜はあか牛と熊本県産えこめ牛を用いた肉料理6品前後。中でもテーブルオーダー率が100%に達するのが、熊本県産あか牛の炭焼きだ。単品原価率50%を投じて品質を追求した看板商品で、ランプ、イチボ各150g1980円/250g2980円、サーロイン150g2380円/250g3780円の3品をラインアップする。この他にも「あか牛の逸品料理」とカテゴライズしたコロッケやメンチカツ各580円の一品料理を5品前後揃え、あか牛の多彩な味わいを提案する。
アルコールのラインアップもヴァベーネが他店と一線を画す点だ。「あか牛だけでは集客の吸引力としては弱い。そこでクラフトビールとワインの品揃えに注力しました」とマネージャーの平澤貴之氏は話す。とりわけ5種を揃えるクラフトビールは250㎖の小を490円、350㎖の大を790円という破格値で提供。その内容は「コクがあって赤身肉との相性がよい」と平澤氏が評する秋田・田沢湖ビールのアルトを常備し、残り4種は不定期に入れ替えるスタイルを採用した。また、ワインはイタリア産からニューワールドまでボトル50種前後、グラス10種を揃え、ボトルの中心価格帯は4000円台前半に設定している。
「クラフトビールの原価率が40%を超えるため、ワインは中心価格帯の銘柄を原価率35%以下に設定することで原価の適正化を図っています」と平澤氏は話す。
今後も業態のブラッシュアップを重ね、肉バルというスタイルを前面に打ち出していく意向だ。
DATA
TEL.0422-26-7235
営業時間:17時〜23時30分(L.O.23時、土・日曜、祝日は11時30分〜)
不定休
オープン:2013年4月9日
店舗規模:15坪30席
客単価:4500円
月商:500万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 40%
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