中野レンガ坂スペインバル Siono(東京西部)
都内のJR中野駅南口から徒歩1分のレンガ坂ストリートは小規模の外食店が軒を連ねるエリア。ここに2013年5月8日にオープンした「中野レンガ坂スペインバル Siono(シオノ)」は、東京・五反田にある「ばる あらら」や同・三鷹の「ラ・クエバ」を経営する㈱フィールドブックのフード事業部が手がける3号店である。13坪26席の規模でテーブル席は1日2回転以上する集客力を発揮している。
「『中野駅北口の再開発に対し、活気のない南口駅前のレンガ坂ストリートを活性化したい』という商店街の会長さんの言葉が中野で開業したきっかけ。そこで、幅広い利用動機を吸収できて回転がよく、ヨーロッパの街並みを思わせるバルに決めたのです」と代表取締役社長の馬場昭次氏は3号店出店の経緯を語る。
※写真上/手前から、ワインのつまみとして定番のスペイン産腸詰2種盛り合わせ750円、数種類の野菜をカスエラで煮込んだ野菜のトマト煮込み720円。日替りのハウスワインはグラス480円、ボトル2500円前後で提供
料理のポーションと価格ダウンで女性客を吸引
フードメニューはスペインのオーソドックスなバルメニューを軸に約45品をラインアップ。女性客を意識してひと皿ごとのポーションをダウンするとともに中心価格帯を390~780円に設定しており、パエリア以外の全メニューを1000円以下にすることでカジュアルさを打ち出す。手間のかかる煮込み料理などは、系列店で一括調理して人件費を抑えることで低価格を実現している。
また、お客に待ち時間のストレスを感じさせないように野菜のピクルスや鶏白レバームース各390円、イワシのマリネ680円など、提供時間の速い冷前菜やサラダを12品以上用意。一方で混雑時は提供まで1時間かかることをメニューに記したうえで、ミックスパエリヤ2人前2780円もオンメニューし非日常感のある外食シーンを演出している。
アルコール売上げの6割を占めるワインはすべてスペイン産で20種前後をラインアップし、ボトル2500円~、グラス480円~で販売。原価率40%を投じてお値打ちを打ち出す傍ら、3店分をまとめて仕入れることで価格を抑えている。他にシェリー酒や自家製サングリアなどアルコールは40品を揃える。
スタイリッシュで快適な店づくりも見どころのひとつだ。「店内は木の質感とスペインスタイルにこだわり、ゆったり座れるベンチシートを配しています。また、女性客を意識して上着や荷物置き場の確保にも配慮しました」(馬場氏)
現在、客単価は3200円。目下の課題はアルコール売上げ比率の引き上げだ。目標値は35%を掲げており2014年4月にはハウスワインの価格をグラスで70円値下げしてオーダー促進を図る。「店数にはこだわらずマイペースに出店を続けるつもり。街の一部となるような店をめざしたい」と馬場氏は今後の展望を語る。
DATA
TEL.03-3381-5178
営業時間:17時~23時30分(金曜は〜翌4時)
オープン:2013年5月8日
店舗規模:13坪26席
客単価:3200円
月商:450万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 30%
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