おやじのおとうと(表参道・青山・六本木)
東京・青山にある「おやじ」ののれん分け店として2013年6月に外食店がひしめく東京・赤坂のみすじ通り沿いにオープンした「おやじのおとうと」は、雑居ビルの地下1階という立地条件ながら、17坪28席の規模で月商500万円を弾き出すホルモン焼きのヒット店だ。
主力のホルモンは牛を中心に定番20品をラインアップし、価格レンジは500〜1500円。その他の焼き物はカルビ1800円とみすじ1900円、その日の焼き野菜700円がメニューに並ぶ。サイドメニューはつまみ6品250円〜、ごはんもの5品200円〜を含めて計13品とシンプルな構成。ホルモンの中心価格帯は800円で1人あたりの注文数は平均3皿、客単価は4000円を確保する。アルコールはハイボール3種600円〜、ビール2種600円〜、サワー11種500円〜を中心としてマッコリ、日本酒、焼酎、ワインなど幅広くラインアップしており、アルコール売上げ比率は38%となっている。
仕入れは本店と同じ東京・芝浦の業者に委託。毎日入荷する内臓肉は品質劣化を防ぐためにツーオーダーでカットして提供するが、注目すべきは鮮度が落ちた内臓肉や店が求める品質基準に満たない部位は破棄する鉄則を固く守り通していることだ。「うちの店のモデルはたちのすし店。食材の良し悪しがすべてですから、品質に納得がいかない内臓肉はまかないで消費するか、廃棄しています」とオーナーの岡田栄三氏は語る。
※写真上/手前からおっぱい700円、ハツ800円、ホルモン800円、お通し500円。1皿のポーションは100〜120gの設定だが、少人数客にはハーフポーションのホルモン2種盛りにも対応する。
ホルモンは、もっともおいしく味わえる順番に1種類ずつ提供
品質至上主義という店の姿勢は、オーダーのルールや提供スタイル、さらにその味つけにもはっきりと表れている。たとえば、ホルモンの注文はファーストオーダーの1回のみに限定している。その理由を岡田氏は「味の濃淡や食感などを考慮し、もっともおいしく味わっていただける順序でホルモンを1種類ずつお出ししています。提供スタイルはいわばコース仕立てですから、追加注文はお断りしています」と語る。味つけについては、調味ダレの味が主張し過ぎないように香辛料やニンニクの使用をぐっと抑えている。
また、内臓肉の各部位の味をストレートに引き出すために、ホルモンはホールスタッフが客席で焼いて提供するスタイルを採用する。その接客スキルは従業員教育で磨いており、一例としておやじのおとうとではメニューの試食会を月2回実施。カット法や味つけ、焼き方などをスタッフ全員で検証し、接客力と商品のブラッシュアップを図る。
今後の展望について岡田氏は「お客さまが予約をとりづらい状況になりつつあるので、近隣に2号店の出店を検討したい」と話す。
DATA
TEL.090-6476-4129
営業時間:18時〜翌1時30分(L.O.翌0時30分)
日曜・祝日定休
オープン:2013年6月4日
店舗規模:17坪28席
客単価:4000円
月商:500万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: 38%
URL: -