TRATTORIA 2colori(渋谷・恵比寿・代官山)
周囲に閑静な住宅街が広がる路地裏のビル地下1階。そんな悪立地をもろともせず、17坪29席の規模で月商700万円を叩き出すヒットを飛ばしているのが、東京・神宮前の「TRATTORIA 2 colori(ドゥエ コローリ)」だ。
オープンは2012年10月。共同経営者であるオーナーソムリエの渡部武志氏とオーナーシェフの山口高志氏は、東京都内にトラットリアなど計7店の繁盛店を展開する㈱セレソンの出身である。同社が経営する東京・北参道の「トラットリア タンタボッカ(タンタボッカ)」は、渡部氏と山口氏が店長、料理長として立ち上げた店で、「ドゥエ コローリはタンタボッカを業態のベースとしながら、使い勝手のよさを強化する方向に業態を磨きあげました」と渡部氏は開発の経緯を説明する。
※写真上/手前は和牛ハラミ100gと鴨ムネ肉150gの炭火焼き各1900円。同奥はタコとアボカドのサラダ、トリュフ風味の白レバーパテで、25品前後を揃える500円均一の小皿料理の売れ筋だ
客単価5500円の業態を構築し、息の長い店をめざす
フードは和牛や地鶏などの炭火焼きをメインに据え、前菜、パスタなど計50品前後をラインアップするが、まず注目したいのがその価格設定だ。炭火焼きは和牛ハラミ100g、国産豚上ロース150g、静岡産地鶏のディアボラ250gなど定番で6品、日替りで2品前後を揃え、それらを1900円の一律価格で提供。パスタ7品は900〜1900円という価格設定だが、前菜には500円均一の小皿料理25品前後を用意し、値頃感を打ち出している。
一方で炭火焼きには単品原価率50%超のアイテムを織り交ぜて品質を追求。小皿料理は売れ筋のトリュフ風味の白レバーパテのように料理にひと工夫加えた商品を揃える他、キャロットラペやフライドポテトといった定番メニューは器に山盛りにし、トータル原価率45%を投じて商品バリューを打ち出している。
アルコールの主力はワイン。ボトル100種(中心価格帯3000円台)、グラス10種500円〜を用意するが、1500円のワイン飲み放題メニュー(2時間)を導入しているところにも個性が光る。「2人客がメイン1品、小皿料理3品、パスタ1品、ワイン飲み放題をオーダーして支払額が1万円以下に収まるようにした」と渡部氏は価格設定の狙いを説明する。
目下のところ、客単価は5500円で推移。「ボトルワインの注文率が上がっており、それが客単価を引き上げている。ただ、息の長い店をめざすうえで客単価が上がるのは望ましくない。ワイン飲み放題の注文率を50%以上に伸ばすことが今後の課題です」と渡部氏は言う。
14年4月には同じビルの1階に2号店として自然派ワインを柱としたワインバー「ebi-ro」を出店。7坪15席の規模で、5月には月商300万円を突破するなど好調なスタートを切っている。
DATA
TEL.03-6434-5226
営業時間:11時30分〜14時30分、18時〜翌0時(L.O.、祝日は〜23時〈L.O.〉、土曜は17時〜23時)
土曜昼・日曜定休
オープン:2012年10月
店舗規模:17坪29席
客単価:5500円
月商:700万円(2014年5月実績)
原価率: 45%
アルコール売上げ比率: 30%
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