海風土(福岡)
居酒屋の激戦区として知られる福岡・博多のJR博多駅筑紫口周辺の東エリア。その中でも高い集客力を誇っているのが67坪110席の規模で月商1400万円、1日最大230人を集客する海鮮居酒屋「海風土(しーふーど)」だ。
経営母体は焼とりを主力に据えた居酒屋「はかた風土」をはじめ、福岡を中心に4業態4店を展開する㈲ウィナー。2003年に開業した1号店のはかた風土は38坪60席で月商1100万円を売り上げる繁盛店だ。その隣の物件が空いたのを機に13年9月にオープンしたのが海風土だが、特筆すべきはその特殊な店内構造である。1フロアの店内の中央に厨房を設けて空間を2つに分け、一方を海風土、もう一方をはかた風土と海風土双方のメニューを提供する「風土はなれ別邸」という屋号とした。また、厨房を共通としながら入口を個別に設けるスタイルを採っている。
「以前からはかた風土は週末に100人前後のお客さまをお断りする状況が続いていました。そこではかた風土のオーバーフローの受け皿をつくることと、当社初となる魚を主力にした海鮮居酒屋に挑戦することが、今回の出店形態を採った狙いです」と代表取締役の竹田修司氏は話す。
鮮魚を主力としつつ、炉端焼きなどの大衆的な居酒屋メニューも充実
海風土のフードの主力は鮮魚を使った魚料理70品421〜3219円だが、中でも来店客1組あたりの注文率が100%に達する看板商品が海の玉手箱だ。鹿児島産本マグロ入りの刺身6点盛り(各4カン)で540円という破格値で提供し、原価率は100%にのぼる。「九州といえば青魚ですが、当店は魚の絶対王者ともいえる本マグロを中心に据えて差別化を図った」(竹田氏)。
専用の器に陳列された野菜をお客自ら好きなだけ盛りつける詰め込みバーニャカウダ1029円や、ゴボウ1本にタチウオの身を巻きつけた長さ50㎝の揚げもの太刀魚トルネード924円といったユニークな商品を揃えているのも海風土の特色で、前者は40%、後者は105%の原価をかけてバリューを訴求。その一方で出数の多い炉端焼きや藁焼きといった大衆的な居酒屋メニューを50品421〜1296円揃え、トータル原価率は35%で推移している。
アルコールは喜多屋、山口酒造場といった福岡の地酒を中心に約20種480〜1000円(2合)を揃える日本酒が売れ筋。その他、焼酎30品378〜1080円や、ワイン赤・白30品421〜6459円など幅広くラインアップする。
「今後は社員独立制度を導入してスタッフの独立支援に注力していきたい。そして博多駅周辺でのドミナント形成をめざし、7年以内に5店を出店することが目標です」と竹田氏は話す。
※写真上/手前から時計回りに原価率100%を投じた海の玉手箱540円、詰め込みバーニャカウダ1029円、豪快!博多流藁焼き カツオ950円。バーニャカウダは専用コーナーに並ぶ野菜を専用の器にお客が好きなだけ盛るスタイルを採用。女性の圧倒的な支持を得ている
DATA
TEL.092-433-4210
営業時間:17時〜翌1時
無休
オープン:2013年9月
店舗規模:67坪110席(海風土70席・風土はなれ別邸40席)
客単価:4000円
月商:1400万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 40%
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