中仙酒場 串屋さぶろく (東京西部)
東京都板橋区の都営三田線本蓮沼駅近くに立地する「中仙酒場 串屋さぶろく(さぶろく)」は、刺身と串焼き、日本酒を商品の3本柱に据えた居酒屋だ。2010年11月のオープン以来、地域の居酒屋需要をがっちりと摑み、30代〜40代の男女を中心とした客層で店内は連日賑わいを見せている。
さぶろくはこれまで30.1坪54席の規模で営業してきたが、2014年6月に36.3坪71席の規模に増床。最大50人の宴会にも対応できるようにしたことで、地域の新たな需要を掘り起こしている。13年9月から週1日の定休日をなくした影響もあって、客単価4000円で14年7月の月商は対前年同月比227万円増となる846万円を計上する。
経営母体㈱AIYOクリエーション代表取締役社長の長岡雅也氏はすし店で8年ほど修業した後、居酒屋やファミリーレストラン、宅配すし店、病院や老人ホームの給食などさまざまな食の現場で経験を積んだ。独立に際してはそうした経歴を生かしながら住宅街という立地も踏まえ、「万人受けする商売として魚を売りにした居酒屋を選択した」と長岡氏は言う。
「ただ、魚を看板商品にするとどうしても原価が高くなってしまう。この立地でそのコストをそのまま価格に転嫁すれば客層が限られてしまうため、フードのもうひとつの柱に串焼きを据えることにしました」
※写真/手前から時計まわりに看板商品のさぶろく盛1706円、プレーンとあおさ、チーズ、トマト、しそしらす、お好み焼き風の6種から選べる厚焼玉子842円、鶏味噌とバーニャカウダソースで野菜を食べるお通し324円
看板商品は原価率70%以上。100品以上のメニューで原価率をコントロールする
魚は産地直送で天然ものを仕入れる鮮魚店から調達。刺身はさぶろく盛(3〜4人前)1706円やちびろく盛(1〜2人前)810円の他、単品メニューも用意する。串焼きは千葉県産の朝締めの地養鶏を使用し、194円7品と270円5品の2ラインの価格で提供する。
看板商品のさぶろく盛は原価率70〜90%を投じているが、串焼きはボリュームを重視しながらカテゴリー原価率を20%に抑制。「魚がうまい店」というイメージを訴求する一方で、串焼きで業態をカジュアルダウンするとともにトータル原価率を30%にコントロールしている。
また、ごちゃまぜなめろう702円や地養鶏レバーぱて702円といった単品原価率10%前後の商品や、鉄板皿や石焼鍋で供することで付加価値を高めたアイテムも導入し、フードの総品目数はおすすめ10品前後と定番100品前後を揃える。
アルコールの売りである日本酒は年に5〜6回の頻度で内容を入れ替え、季節アイテムを中心に15〜20種を常備。価格は90㎖486円、120㎖594円、260㎖1188円の均一価格としている。
「まずはこの1店をしっかり守り、地域に愛される店にすることが目下の目標です」と長岡氏は語る。
DATA
TEL.03‐3969‐9436
営業時間:17時〜翌0時(L.O.23時)
無休
オープン:2010年11月4日
店舗規模:36.3坪71席
客単価:4000円
月商:846万円
原価率: 30%
アルコール売上げ比率: 45%
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