平木商店(銀座・新橋・有楽町)
串焼きを中心とした炭火焼きがフードの柱。そこにワインと黒糖焼酎を組み合わせた独自性の高いバルスタイルを打ち出しているのが東京・新橋の「平木商店」だ。オープンは2012年9月。5.5坪20席の店内は近隣に勤めるオフィスワーカーで連日埋め尽くされ、客単価3400円で、月商230万円を弾き出している。
経営母体は㈱Flat wood。代表取締役の平木洋一氏は新橋で生まれ育ち、子供の頃から新橋の外食店を間近で見てきたため、「自然と地元で店を持ちたいと考えるようになった」と言う。新橋の老舗焼とり店「鳥藤」に10年間勤務し、串焼きの技術を研鑽。また、平木氏のパートナーである石橋礼美氏は、都内のスパニッシュ、イタリアンレストランで調理経験を積んでおり、二人の得意ジャンルを結びつけたことが独自のスタイルにつながっている。
※写真は手前から、串焼きの盛り合わせ1000円、ラムチャップ600円、スペインオムレツ500円。スペインオムレツは具材を日替りにしており、取材当日は豚肉、ズッキーニ、長ネギを使用
黒糖焼酎を置くことで居酒屋としての間口を広げる
フードは定番40品前後、日替り6品前後をラインアップ。主力の炭火焼きは焼とりが7品200~250円(1本)と品数を絞り込む一方、ラムチャップ600円(1本)、国産牛串550円(2本)などを揃えてバリエーションを広げている。いち押しのラムチャップは単品原価率50%超を投じてお値打ちを訴求。また、焼とりはタレに赤ワインを使用し、ワインとの相性をよくしているところにも個性が光る。
その他のフードは前菜・おつまみ10品350円~、サラダ・卵料理5品500円~、ご飯物・パスタ4品300円~などを揃える。売れ筋は平木氏、石橋氏が「旨味が全然違う」と絶賛する千葉・船橋産の「奈良たまご」を使った卵料理で、スペインオムレツ500円は組客当たりの注文率がほぼ100%におよぶ。
アルコールの主力であるワインは赤、白各7種、黒糖焼酎は10種を常備する。店が小さく、ストックスペースが限られるのでワインは銘柄を絞り込んでいるが、そのぶんほとんどの銘柄をボトル3000円~とグラス500円~で注文できるようにした。また、黒糖焼酎は価格を550円均一にして値頃感を訴求。黒糖焼酎をアルコールの柱に据えた理由を、平木氏は「ワイン一色だと客層が女性に偏りやすい。黒糖焼酎で居酒屋としての雰囲気も残すことで、業態の間口が広がると考えた」と説明するが、狙い通り、男性は30代~50代、女性は20代後半~30代と幅広い年齢層からの支持を獲得。来店客の男女比率は6対4で推移している。
「この店はパートナーと二人で20年、30年にわたって運営することをめざして開発した業態です。現状の業績をしっかりとキープしていくこと。それが今後の課題と捉えています」と平木氏は語る。
DATA
TEL.03-3432-0771
営業時間:18時~翌4時(土曜は17時〜23時)
日曜・祝日定休、土曜不定休
オープン:2012年9月14日
店舗規模:5.5坪20席
客単価:3400円
月商:230万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 50%
URL: -