新和食 到 organic & dining(池袋・高田馬場・早稲田)
2010年9月に東京・池袋にオープンした和食店「新和食到organic&dining(以下、到)」は、繁華街の外れという立地ながら目的客の集客に成功し、18坪26席で400万円を売り上げている繁盛店だ。
オーナーの中島到氏は割烹料理店で修業をした後、居酒屋、バーを経て東京・銀座の創作料理店で料理長を務めた経歴を持つ。
中島氏は「到のコンセプトは『食育』です。和食の技法を基本に据えて旬の食材を味わっていただきたい。しかし、従来の和食の味つけだけでは外食に慣れたお客さまには味が物足りない。そこで、オリーブオイルやガーリック、あるいはオーブン焼きといった和食にはない調味料や技法も取り入れています。こうしたメニューづくりのテーマから屋号に『新和食』と冠しています」と語る。
メニューは単品料理40品前後とコース5種で構成。単品は冷菜、温かい前菜、オーブン料理、魚料理、刺身、肉料理にカテゴリー分けし、価格は300~2000円の設定だ。
注文率9割を超す無農薬野菜サラダで女性を集客
集客のフックとなっているのが、注文率9割を超すオーガニック生野菜の盛り合わせ1200円だ。長野・佐久などの契約農家から仕入れる無農薬のオーガニック野菜を20種類前後盛り込んでおり、これを自家製の梅味噌、バーニャカウダ、生姜ダレで食す。「このメニューのイメージからか、いつの間にか野菜の店として認知されました」(中島氏)。
これと並ぶ看板メニューが、新和食 到 オススメ料理 4000円コースだ。前菜3種、旬菜、魚、一品料理、肉料理、〆、デザートの7品という充実した内容で「いろいろな食材をバランスよく食べてもらいたいという考えから、原価率40%を投じています」と中島氏は語る。この考え方が支持され、日によってはお客の半数以上から注文が入るという。
また新和食の「新」の文字には科学的根拠に基づいた調理をする、という中島氏の考えも込められている。たとえば、カツオだしはアクが出ず澄んだだしがとれるよう70℃を超えない温度でとる。ローストビーフは真空調理の技法を使い60℃前後で3時間じっくりと加熱しタンパク質の組織を壊さないようにしながら火を通す、などだ。このように調理技術の根拠を一つひとつ探求することで素材の旨みを引き出すことに成功しているのだ。
お客の年齢層は30代~50代で女性が8割を占める。コース利用の他には2人で6~7品を注文して居酒屋的に利用するお客が多く、アルコール売上げ比率は45%で推移している。
今後について中島氏は「池袋地域で、さまざまな業態の店を増やしていきたい」と意気込んでいる。
DATA
TEL.03-6915-2181
営業時間:17時~23時30分(L.O.22時30分時)(日曜は~23時〈L.O.22時〉)
月曜定休
オープン:2010年9月7日
店舗規模:18坪26席
客単価:5000円
月商:400万円
原価率: 35%
アルコール売上げ比率: 45%
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