炉ばた 雷橋(福岡)
福岡県福岡市の地下鉄七隈線天神南駅から徒歩2分の路地に佇む「炉ばた 雷橋(かみなりばし、以下、雷橋)」は福岡ではめずらしい炉端焼き専門店。「干もの・鶏・やさい」と記された大きな提灯が同店の目印だ。年季の入った店構えだが、開業したのは2010年2月。9坪の店内にカウンター12席を配するだけの小体な店にもかかわらず、夜だけで1日平均30〜35人、多い時は40人を集客しており、平均月商は250万円に達する。
雷橋の一番の売りは魚介や野菜の炉端焼き。一方でカウンターに沿って備えつけられた炭床で従業員が食材を炙り、適度な焼き加減で目の前のお客に提供するというスタイルも集客のフックになっている。
食材を焼くのはオーナーの佐竹孝雄氏を含めた3人で、お客1組に対して従業員1人が必ずつくようにしている。その理由について佐竹氏は、「炭火焼きはシンプルな料理だけに、焼き加減が重要。食材によってベストの火加減や焼き加減が違うので、自分たちで全部見ているのです」と話す。
白ネギであれば表面は焼き焦がして中はとろっとした仕上がりにし、シイタケならば風味と歯ごたえを損なわないよう片面だけを焼く。また、魚介の干物は中までしっかり火を通して旨みを引き出すという具合だ。
北陸や京都など全国各地の食材を活用
食材の品揃えが多いのも雷橋の特色のひとつだ。佐竹氏は京都にある炭火焼き店に店長として勤めていた時に独立開業を見据え、食材の仕入先を開拓していた。ゴロイカの干物(富山)やフグの卵巣ぬか漬(石川)などがそれにあたり、当時北陸に何度も足を運んで見つけたものだ。
また、京都から地元である福岡へ帰る際には、自転車で20日間前後をかけて日本海側の港町をめぐった。その時に出会ったハタハタやハリコサンマといった食材もメニューに並んでいる。
現在、焼き物として干物26品300〜800円、野菜15品前後各200円をラインアップ。野菜は知人の青果業者から仕入れ、京都の万願寺唐辛子や佐賀のレンコン、青森のヤマイモといった旬のものを用意する。
一品料理は30品前後300〜1000円を揃えており、甘エビの醤油漬500円や自家製ちくわ300円といったひと手間かけたおつまみが売れ筋だ。
アルコールは日本酒14種類(500円〜)、焼酎15種類(400円〜)など45種類前後をラインアップ。客層は30代から中高年と幅広く、来店客の男女比率はほぼ半々だ。
「炉端焼きは食材が命。これからも仕入れ先の開拓に精力的に取り組み、お客さまに一番おいしい状態で提供していきたい」と佐竹氏は語る。
DATA
TEL.092-751-4110
営業時間:17時〜翌0時
日曜定休
オープン:2010年2月1日
店舗規模:9坪12席
客単価:3750円
月商:250万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -