農家厨房(大阪)
オフィスビルが建ち並ぶ大阪きってのビジネス街・肥後橋に2009年2月にオープンした中国料理店が「農家厨房」だ。大阪府堺市にあるオーナーシェフの大仲一也氏の実家をはじめとする5〜6軒の契約農家から直送する野菜を中心にメニューを組み立てた「ヘルシーな中国料理」(大仲氏)を提案し、話題を呼んでいる。
「出店場所にオフィス街を選んだのは、OLさんのランチ利用による安定した集客を狙ったためです」と大仲氏は話す。その言葉通り、お客の9割を30代〜40代の女性客が占めており、22坪30席の規模で昼が3回転、夜が1回転の繁盛ぶりだ。
ランチメニューは3品を用意するが、注文が集中するのが花ランチとおかゆセット各850円だ。花ランチは8種以上の季節野菜をせいろに山盛りにした季節野菜のせいろ蒸しに、肉料理か魚料理を選べるメイン1品、スープ、デザートで構成したお値打ちな内容。おかゆセットは野菜のせいろ蒸しに、飲茶3品とお替り自由のおかゆ、スープ、デザートがつく。
夜のメニューは、ランチで評判を呼んでいる季節野菜のせいろ蒸し500円やトマトが麺を真っ赤に埋め尽くすトマトのあえそば750円といった視覚的に野菜のインパクトを打ち出したアラカルトが中心。定番26品と季節メニュー10品前後を揃えており、中心価格帯は700〜980円、夜の客単価は3000円だ。
コースは、彩花3800円と健美5000円の2種類を用意。通常は1割程度の注文比率だが、企業の人事異動による宴会利用が多い6、7、9月と年末は5割にも達する。
農家厨房の一番の売りである野菜は無農薬もしくは減農薬のものを使用。収穫してすぐに水にさらすなどして鮮度を保っている。野菜だけでなくコメにも気を配っており、経時劣化を防ぐため、1週間ぶんを自宅で精米して使い切っている。
オーナーシェフ自らも生産に携わるコメや野菜を提供
「私自身もコメや野菜の生産に携わっています。食材の生産から調理まで一貫してかかわることで、コメや野菜の本来の味をお客さまに届けたいのです」(大仲氏)
独特の内装も女性客を引きつける要因になっている。店内の土壁には藁をあしらい、素朴な農家の雰囲気を演出。江戸時代から続く農家である大仲氏の実家の蔵にあった漆器を飾るなどして、野菜を前面に打ち出した店のイメージを演出している。
「女性客が多いので、夜でもデザートを求めるお客さまが多い」と大仲氏は話す。今後は中華デザートをより充実させることで夜の客単価アップを図るとともに、「中華デザートのテイクアウト販売にも挑戦したい」(大仲氏)と意欲的だ。
DATA
TEL.06-4803-7803
営業時間:11時30分〜22時
日曜・祝日定休
オープン:2009年2月
店舗規模:20坪30席
客単価:3000円
月商:350万円
原価率: -
アルコール売上げ比率: 30%
URL: -