祇園 はせがわ(京都)
京都・桂出身の長谷川充弘さんは、20代半ばで料理の世界に入った。以後、京都市内のすし店や割烹店などで経験を重ね、「貴船 右源太」(京都・貴船)などの料理長を経て独立。自分ひとりで店を切り盛りしている。
夜の営業で提供するのは、1万円のおまかせのコースのみ。1月半ばのある日のそのコースは、デザートを含む9品目の構成。先付の「雲子の玉締め」に続く前菜は、「鯖の生鮨」や「トコブシの旨煮」、「子持ち鮎昆布巻き」、「からすみ大根」、「鮟肝」など7点盛り。その後、煮もの椀「揚げ餅と鴨と焼きナスの白味噌仕立て」、向付がヒラメと富山・氷見産ブリの造り、凌ぎ「穴子の飯蒸し」、焼きもの「焼き河豚」、焚合せ「芋ぼう」と続き、牡蠣の炊込みご飯と粕汁で締めくくる。
ただ、現在はこのように「日本料理らしい構成」(長谷川さん)としているが、「京都の祇園ということであえて〝日本料理らしさ〟を意識している部分もありましたが、開店からそろそろ1年が経つことですし、これからは少しずつ〝自分らしさ〟を表現していければと思います」という。そのため今後は、たとえばスッポンの丸鍋をパイ包み仕立てにしたり、焼きものに鴨やイノシシなどの肉を提供したり、カブやシイタケといった野菜をタマネギ、ジャガイモとともに水から煮込んでフード・プロセッサーにかけ、一番だし、塩、淡口醤油、豆乳で調味してすり流しとして、煮もの椀代わりに提供するなど、これまでに勤めていた店でやってきた仕事を織り交ぜつつ、自由な発想をもとに料理を提供していくことを考えている。
「めざすのは、肩肘張らずに、そして構えずに、私なりの日本料理を楽しんでいただける店です。歴史も看板の重みもないからこそできることがあると思います」と、長谷川さんの挑戦は続く。
DATA
TEL.075-525-1232
営業時間:11時30分~15時(入店13時30分まで)、17時30分~22時(入店20時30分まで)
不定休
オープン:2010年3月
店舗規模:約9坪8席
客単価:13000円
月商:-
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -