蜀郷香(しゅうしゃんしゃん)(四谷・市谷・飯田橋)
飲食店が軒を連ねる東京・四谷の杉大門通りに昨年開業した「蜀郷香(しゅうしゃんしゃん)」は、菊島弘従(ひろつぐ)さんが腕を振るう四川料理店だ。物件を探していた際、「周辺に30代の若いオーナーや2代目の店が多く、みんなで街を盛り上げようという気概が感じられた」ことから、同地を独立の場所に決めたという。
高校卒業後に料理人を志した菊島さんは、「器の善し悪しや店のしつらえを抜きに、料理のみで勝負できるのが中国料理だと思った」と横浜・中華街の店に就職した。その後、「趙楊(ちょうよう)」(東京・新橋。現在は銀座に移転)に移り、オーナーシェフの趙楊氏のもとで伝統的な家庭菜から宴席料理までを学んだ経歴を持つ。
蜀郷香では約30品の単品料理とコース3本5250円~を用意。中でもほぼすべてのお客が注文する人気メニューが、前菜の盛り合わせ1890円(2人分)だ。豚の干し肉の燻製、エビのネギ和え、よだれ鶏などを日替わりで3種盛りにするのだが、3種すべてをグランドメニューには載せていない品で揃えるのが菊島さんのポリシーだという。
「四川料理の前菜の多彩さを知ってほしいというのが最大の理由ですが、師匠の趙楊から、『前菜がおいしければ店は繁盛する。お客さまは前菜の味を見て、追加注文をするかどうか決めるのだから』と教わったことも影響しています」
また、調理スタッフは菊島さん1人のため営業中は多忙をきわめるが、「素材と香りの鮮度」を大切にして事前の仕込みは最低限にとどめるのも特徴。定番の汁なしタンタン麺840円もひと口ごとに変化する風味を楽しんでもらえるよう、自家製辣油とスパイスを提供直前に合わせてタレをつくっている。
最近は精進や薬膳料理をリクエストする声が増えつつあり、今後はそうした要望にも応えていきたいと菊島さんは話す。
DATA
TEL.03-3356-0818
営業時間:11時30分~14時(L.O.)(土・日曜・祝日のみ)、17時30分~22時(L.O.)
月曜定休
オープン:2010年9月
店舗規模:17坪18席
客単価:6000円
月商:-
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -