ぎんざ一二岐(いぶき)(銀座・新橋・有楽町)
吉澤定久さんは京都の日本料理店での修業を経て、「修業の仕上げにと訪れた東京の居心地が予想以上によくて(笑)」と、東京・東銀座で「ぎんざ一二岐(いぶき)」を開くこととなった。
独立にあたり、「あの店に行けばこれが食べられる、という名物を作りたかった」と話す吉澤さん。そこで思い浮かべたのが、高知に本店を持つ日本料理店に勤務中に出会った高知直送の魚介類だ。中でも鮮度と味わいのよさに衝撃を受けたというカツオは、「鰹のわら焼き」として1年を通して提供することにした。
「串打ちしたカツオを客前でワラで燻すのですが、胸のすくような、懐かしい香りが立つと好評です。伝統的な日本料理ではこうした強いにおいは邪道かもしれません。しかしだしなど基本の部分は守りつつ、形式にこだわらない試みも少しずつ取り入れたいと思っているのです」
夜は9450円、1万2600円、おまかせの3コースを用意。「自腹で来ていただけ、かつ私の出したい料理を実現できる価格」(吉澤さん)を基準にした。いずれも春はソラマメ、秋はギンナンなどを練り込んだ「揚げ胡麻豆腐」にはじまり、椀もの、高知直送鮮魚の造り、凌ぎ、強肴「鰹のわら焼き」、八寸、焼きもの、煮もの、食事、甘味が基本的な流れ。上位のコースでは煮ものが小鍋に変わる。また、吉澤さんは強肴から八寸にかけてを「歌でいえばサビの部分」と位置づけ、お客の印象に残る料理を心がける。4月の八寸は「筍コロッケうに餡、蛍いか沖漬け、はらんぼ酒盗のせ、雄鮎おろしポン酢、南瓜カステラ」を用意した。
「鰹のわら焼き」を1500円で楽しめるランチも盛況で、昼の利用が夜の来店につながることも多い。仕込みに、営業にと忙しい毎日だが、「昼も営業する店での勤めが長かったので、むしろこのリズムに慣れています」と吉澤さんは笑う。
DATA
TEL.03-6278-8110
営業時間:11時30分~14時(L.O.)、17時30分~22時(L.O.)
日曜定休(月曜が祝日の場合は日曜営業、月曜休)
オープン:2010年9月
店舗規模:14坪13席
客単価:12000円
月商:-
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -