2011年春に開店1周年を迎えたイタリア料理店「サルーチェ」。東京・六本木の繁華街にある同店は、都内のイタリア料理店を中心に修業を積んだ、佐藤光さんが開いた店だ。
「魚や野菜、肉などの生鮮食品は国産に絞って、日本の旬の食材ならではのおいしさを届けたい」と語る佐藤さん。神奈川・横須賀で野菜作りにいそしむ父親から届く朝採りの野菜や、同・小田原港をはじめ、全国から届く魚介類を中心に使い、「コース全体の流れを楽しんでもらいたい」と、メニューは3種類4500円～のおまかせコースを軸とする。中でも約半数のお客が注文するのが、全７品の6500円のコース。4月のある日のその内容は、小田原港から直送される生のシラスを使ったアミューズにはじまり、瀬戸内のマダイや小田原のホウボウなど旬の魚介類を用いたカルパッチョと続く。次いで、イカの身の甘みとワタの苦みを生かすべく、1杯丸ごと蒸した後にローストしたムギイカを、朝採りのホウレンソウやカブなどの付合せとともに提供。少量の牛スジのリゾットを挟んで、メインは牛の肩肉と鶏の腿肉のローストの盛合せ、そして〝〆のパスタ〟としてサクラエビのペペロンチーノを供し、デザートで締めくくる。
　なお、メインの肉料理では、牛肉（赤身）と鶏肉（白身）といった個性の異なる2種類を盛り合わせて提供することが多い。また、パスタは、お腹のすき具合に合わせてお客が自由にグラム数を指定でき、さらに、提供のタイミングもメインの前か後かを選択できるなど、お客の意向に臨機応変に対応する。空席があれば22時以降はアラカルトの注文にも応じ、「さまざまな人が訪れる六本木だからこそ、どんなお客さまでも利用していただける〝使い勝手のいい店〟をめざしたい」と佐藤さんは話す。