中国料理 仙ノ孫(せんのまご)(東京西部)
「龍ノ子(りゅうのこ)」(東京・原宿)を皮切りに、「目黒雅叙園」(同・目黒)や「川香苑」(同・新宿)で修業を積んだ、早田(そうだ)哲也さんが腕をふるう「中国料理 仙ノ孫」(同・西荻窪)。店が建つのが夫人の祖父・仙太郎さんが八百屋を営んでいた跡地なので、仙太郎の孫で「仙ノ孫」というのが店名の由来だ。
独立前には中国・上海で3ヵ月間の研修を体験した早田さん。短期間ではあったが、「店には各地から60人もの料理人が集まっていたので、行ってみたかった四川の技法をはじめ、さまざまな技術を学べました」と話す。帰国後も、ホルモン焼き店で内臓の扱いを、飲茶専門店で点心を、と貪欲に知識と技術を吸収した。
自店では、四川料理と上海料理をほぼ半々の割合で提供。定番の「麻婆豆腐」1360円や、豚肉の団子を醤油味で煮込む「上海名物 やわらか肉団子の土鍋煮」1570円が人気だ。一方、「まずは存在を知ってもらいたい」と4~5品を揃える「今季の内臓料理」は、住宅街という立地もあって苦戦することも。ただし、料理名を「豚の尾の醤油煮込み」から「とろとろ豚テール 特製漢方薬15種醤油煮込み」1100円に変更したところ、一気に人気が出た例もある。「周囲にホルモン焼き店も多く、見せ方次第では内臓料理も受け入れられる環境にある」と、早田さんは手応えを話す。
黒板メニューでは、活け締めの魚を複数の仕立てで提案。たとえばコチなら、「黒酢炒め」、「黒豆ピリ辛炒め」、「塩漬け豚肉 高菜の上海風塩味土鍋煮込み」(ともに1800円)を選択肢として用意する。お客の嗜好に幅広く対応し、食材をうまく回転させるのが狙いだ。
現在、大分県で農家を営む早田さんの実家で、黒ダイコンや朝天辣椒など約30種の野菜を試作中。今後はこうした野菜を使った料理も増やしていく予定だ。
DATA
TEL.03-3390-4808
営業時間:11時30分~14時30分(L.O.)、17時30分~21時(L.O.)
月曜・火曜定休
オープン:2009年12月
店舗規模:25坪28席
客単価:3500円
月商:-
原価率: -
アルコール売上げ比率: -
URL: -